2021年1月13日水曜日

『眠れる美女たち(下)』(スティーヴン・キング/オーウェン・キング)読みました。


前回、
呪いのビデオを見ただけでなぜ呪われちゃうのか、
その論理的根拠というか、科学的な裏づけというか、
こじつけ的けむ巻き詭弁というか、
まあそんな背景説明を、重箱の隅のすきまが
1ミクロンもないように埋めていって文章で表せば、
読者は納得して摩訶不思議な世界でも
すんなり入っていける、みたいなことといいました。

でもそれを書いたあと、
本当にそうかいなと、疑問がわいてきて、
いろんなお話を思い返してみたんですわ。

現実にはあり得ない
ファンタジックなストーリーっていえば、
ぱっと浮かぶのは昔話なわけで、

桃太郎も、かぐや姫も、花咲か爺さんも、
桃や竹から人間が誕生する科学的根拠や、
桃の中でどう呼吸をしているか
もしくはへその緒的な生命維持システムが
あるのかどうか、

竹が内部から光を発するために使われているのは
省エネに配慮したLEDなのか
それとも昔だから油に灯した火なのか、
だとしたら内包されていた姫は
ちゃんと耐火防護服を着用していたのか、

花咲か爺さんの灰はうちで枯らしてしまった
観葉植物も元気にしてくれるのか

などの説明はまったくなしに、
お話が展開していくのに、
それでもみんなそんなところには目をつぶって、
昔々から語り継がれてる、
いわばロングセラーなんですわ、それらは。

で、この『眠れる美女たち(下)』。

やっぱ、不思議現象の説明はありませんでした。
それでいいんです。面白いから。




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