2016年5月16日月曜日

『暗幕のゲルニカ』(原田マハ)読みました。


時代物を書くとき、
作者は、
歴史を勝手にいじくっちゃいけない
んだと、
たしか山田風太郎さんが言っていました。

織田がついて、羽柴がこねて、
食ったのは徳川なのに、
最後に真田が天下を取るような
物語になってはいけない。

それだと時代物とか
歴史物とかじゃなく、
パラレルワールドを描くSFになっちゃう。

はっきりとみんなが
わかっている歴史的事実はそのまま使い、

わかっていないすき間で、
天下人の内緒の出来事を加えたり、
架空の人物を登場させたりして
ストーリーを組み立てる。

それでいて、
歴史の流れとは整合性をとる。

時代物とか、
過去の偉人なんかを題材にしたものは、
そんな足かせを
はめなきゃいけないってルールが
あるようです。

ただ、
その歴史的な出来事や人物が、
いろんな意味で面白すぎると、
もうそれだけで物語は出来上がる。

そうなると、
作家さんが小細工する必要はなくなります。

逆に、
あがいて何か盛り込もうとすると、
なんかとってもギクシャクなお話になる。

とはいえ、
あがいて自分なりの何かを盛り込まないと、
つくる楽しみがないような気もするし
……何にしても、むずかしいってことですね。

で、この『暗幕のゲルニカ』。

前に読んだ『楽園のカンヴァス』はルソーさん、
今回はピカソさん。

やっぱピカソさんは面白すぎる人です。

ルソーさんのときには
作者の「盛り込み」がドンピシャはまって
絶品中の絶品だったんですが、
今回はピカソさんの威力に押された感じでした。



暗幕のゲルニカ
暗幕のゲルニカ
posted with amazlet at 16.05.16
原田 マハ
新潮社
売り上げランキング: 858



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年5月13日金曜日

『陰陽 鬼龍光一シリーズ』(今野敏)読みました。



作品をほめる言葉に
「深い」とか「厚みがある」とかが
よく使われます。

でも、
反対語の「浅い」や「薄い」なんかも、
そんなに捨てたもんじゃない
と思うんです。

だって、
浅いのがずっと続いている海岸
(つまり遠浅)は、
海水浴には絶好の場所でしょ。

遺跡を掘る作業では
いきなり深くスコップを差し込んだら
埋まってるモノをダメにしちゃうから、
浅く土をすくうほうがいいでしょ。

金魚すくいだって、
「水面近くの浅い所の魚をねらって、
 なるべく水平にヒョイっとやるんだよ」
って、縁日にいた
どこかのお兄ちゃんが言ってたし。

んで、薄いほうが良いものは、
もっとたくさんある。

昔は手を伸ばしても
抱えきれない程の
奥行きがあったテレビは、

今じゃ親指と人差し指で
つまめるくらい薄くなり、
場所を取らなくなったし、

丈夫で破れなければ
避妊具だって薄いほうが快適だろうし、

「薄くても吸収力は抜群!」
なんてことをウリにしている
商品だってあるし。

で、この『陰陽』。

それなりに面白かったです。
(あ、前回と同じ感想だった)



陰陽 鬼龍光一シリーズ (角川文庫)
今野 敏
KADOKAWA/角川書店 (2016-01-23)
売り上げランキング: 41,441



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年5月11日水曜日

『バベル九朔』(万城目学)読みました。



自宅のマンションは玄関前に
門扉付きのポーチがあります。

この門扉が数カ月前から
きちんと閉まらなくなっていました。

壊れる前は、
取っ手を上にあげると、
ぴょこっと金具状のもの

(ドアに鍵をかけるとき、
 ドアの側面から長四角の
 バー状のものが出てくるでしょ。
 消しゴムくらいの大きさの。
 あれです、あれ。
 あれ、なんて名前なんだろう。
 サムターン?じゃないよな…)

が飛び出し、
もう一方の扉の凹部分にはまり、
開かないような仕組みになってました。

閉まっている扉を開けるときには、
取っ手を下げる。
すると、その消しゴム型金具が引っ込み、
開閉できてたんです。

その取っ手が、
ずっと下がりっぱなしで、
上げようとしても、
すとんと落ちちゃってたんです。
ここ数カ月。

手で押さえていれば
上げた状態を保てるけど、
離すと、ストンってなる。

同時に消しゴム型金具も引っ込む。

「オイオイ、何だよ」
と思って、先日、
分解してどこが壊れてるのか
確かめてみました。

すると中に入っていた
細い金属の棒
(太さ約2ミリ、長さ約3センチ)
が2本折れているのを発見。

取っ手の動きに合わせて
回転する四角形の軸を
この細い棒が
両側から押さえていたんです。

軸は四角だから、
90度動く度にストッパーの役を果たす。

でも、長年使っているうちに
(金属疲労というのかな)
弱くなってポキッと。

で、この『バベル九朔』。

扉は、ホームセンターで
細い棒を買ってきて交換すれば、
簡単に修理できます。
(まだやってないけど、
 応急処置はしたけど)

あ、本の感想言うの忘れた。
それなりに面白かったです。



バベル九朔
バベル九朔
posted with amazlet at 16.05.11
万城目 学
KADOKAWA/角川書店 (2016-03-19)
売り上げランキング: 5,110



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年5月9日月曜日

『明治断頭台』(山田風太郎)読みました。

この前テレビで、
自分でできる健康診断を
いくつか紹介していました。

その一つに、
両手の親指と人差し指の
それぞれの先をくっつけて、
輪っかをつくる方法がありました。

その輪っかで、
自分の足のふくらはぎを
包みきれなければ健康、
輪っかのほうが大きかったら問題あり。

つまり、
ふくらはぎが太ければOK、
細かったら筋肉が少ないのでNG
らしいのです。

「ほう、そうなのか」と思い、
ぼくもやってみました。

毎日ランニング通勤してて、
健康面での心配も特にないぼくなので、
余裕でクリアするだろうと、
ふくらはぎに手を回してみると……

これがまあ、
何の支障もなく親指同士、人差し指同士が
くっつく。

ゆるゆるな感じです。

ということは通常の判断基準で、
ぼくのふくらはぎは
「筋肉貧弱!」
らしいんです。

とはいえ、
もう5年以上、平日は毎日約6キロ走ってて、
身体の不調はナッシング。

健康診断ってのは、
病院でやるものでも、
ドゥーイットユアセルフでも、
大方の人になんとなく共通する
大雑把なモンでしかないんだなと、
勝手に判断してます。

で、この『明治断頭台』。

大方の人はOKだと思いますが、
ぼくには少しゆるかったです。



明治断頭台  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
山田 風太郎
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-06-22)
売り上げランキング: 507,580




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年5月6日金曜日

『パクリ経済 コピーはイノベーションを刺激する』(カル・ラウスティアラ他)読みました。



本も映画も音楽も、
どんなものがヒットするのかは、
タイムマシンで未来を見てこない限り、
誰にも予測できません。

売れるかどうかは、
どうやら作品内容の善し悪しも
関係無いようです。

で、今の時代の成否の分け目は、
内容よりも、
その作品を世に送り出した人
または販売を担当する人が、
「どれだけ多くに人に知らしめたか」
にかかっているような気がします。
上手に宣伝できる人がヒットを生む。

さて、ぼくがAmazonを通して
会社で売っている

『電卓叩きながらエクセル使う
 アナタをネタにした物語』

って電子書籍があります。

これをもし、
誰かが丸ごとコピーして、
その誰かが自分の著者名をつけて
一般書籍として
本屋さんで売ったとしましょう。
(仮にね、仮に)

そんで、
ぼくの知らぬ間に大ヒットして、
ベストセラーになっちゃたとしましょう。
(仮にね、仮に)

その事実を知ったとき、ぼくは、
そのコピペさんに対し、
何も言わないと思います。

ヒットしたのはコピペさんの
世に知らしめるための努力があったからで、
ぼくの力じゃない。

コピペさんには
上手に宣伝する才能があったんです。

「棚から落ちてきたぼた餅を食すべからず」
という先祖代々の教えを守って、
ぼくは文句も言わず、沈黙を通します。

ああ、誰か、
このコピペさんのように、
大ヒットさせてくれないかな
……ぼた餅は要求しないよ。

で、この『パクリ経済』。

副題は「コピーはイノベーションを刺激する」。
そのまんまの内容です。
ぼくの電子書籍も許諾なしで複写してOKです。



パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する
カル・ラウスティアラ クリストファー・スプリグマン
みすず書房
売り上げランキング: 201,864




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年5月2日月曜日

『デューン 砂の惑星(下)』(フランク・ハーバート)読みました。



映画の終わりのエンドロールを
最後まで観るか。

人によって意見が分かれますね。

たぶん、映画ファンならば大抵、
「劇場が明るくなるまで席を立たない派」
ではないでしょうか。

誰だったか
「エンドロールの最後まで観ないと、
 その映画を観たとは言えない」
って鼻息を荒くしていた人もいました。

さて、
優柔不断なぼくは、
実は「どっちでもいい派」です。

その映画に入り込んで
「いつまでもその世界に浸っていたい」
と思うときには、

エンディングテーマを聞きながら
流れていく文字を
夢見心地で眺めています。

あと、
知り合いが製作にかかわっているときには、
そいつの名前を探しながら、最後まで観る。

でも、
そんなに興味の持てない内容だったり、
次の予定が入っていたり
ってときには、
迷いなくすぐに席を立っちゃう。

ぼくはとても
映画ファンとはいえないようです。

で、この『デューン 砂の惑星(下)』。

さっきの鼻息荒いヤツに言わせると
「お前はこの本を読んだとはいえない」
になると思います。

この本、
本筋の物語の終わりに、
かなりのボリュームで、
設定状況とか用語解説とかの
付記があるんです。

ぼくは、「もういいかな」と思って、
それ読まずに
この感想もどき書いちゃいました。
眠かったんですもの。



デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF)
フランク ハーバート
早川書房
売り上げランキング: 31,078




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月27日水曜日

『くノ一忍法帖』(山田風太郎)読みました。



「広告紙面の作り方」みたいな本を
前に読んだことがあります。

内容はほぼ忘れちゃいました。

でも、
一つだけ気になって覚えているのが、

「反響があったらいつまでも繰り返せ」

って教えです。

その広告によって
商品がめちゃくちゃ売れたりしたら、
全く同じ内容を
何度でも載せろってことです。

広告をつくる側の人(とか、ぼくらの
ように何かの紙面をつくる人)は、

前にやったのと同じ物を掲載するのに、
普通は大きな抵抗を感じます。

依頼してくれた人に、
出来上がった物を渡すとき
「なんだ、前と同じじゃん!」
と言われるのが怖い。

コピペするだけだから、
手間がかからず「手抜きしたな!」
と思われちゃう。

それでも、その「広告作り方」本では
「そのまま使って、繰り返せ」と。
まぁ、一理あると思います。

で、この『くノ一忍法帖』。

ぼくがこれまで読んだ
山田風太郎さんの忍法物と
ちょっと違ってるような気がしました。
忍法の場面が控え目になったような。

これまでと同じつくりで
繰り返して欲しかったな…。



くノ一忍法帖  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
山田 風太郎
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-09-25)
売り上げランキング: 204,855




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月25日月曜日

『校閲ガール ア・ラ・モード』(宮木あや子)読みました。



この前、
小学校の卒業アルバムを見ていたら、
まったく思い出せないクラスメイトが
何人もいることに気づきました。

何十年も前のことだから仕方ないし、
記憶力も日に日に衰えてきてるので、
驚くほどのことではないかもしれません。

それにしてもね……。

もちろん
いつもつるんでいた仲間や、
ガキ大将だったとか学級委員長だったとか、
それなりに目立ってたヤツはわかります。

思い出せない人は、
きっと当時も
それほど親しくは話したことなく、
クラスでも控え目で
ひっそりしたヤツらだったんでしょう。

もし今、
何かの仕事を一緒にするとかなって、
「はじめまして」と名刺交換したとしても、
それが小学校の
クラスメイトだったとは
気づかずにいるかもしれません。

まぁ、それは、みんな同じですけどね…。
(つるんでいた仲間やガキ大将でも)

おじさんやおばさんになれば、
小学生のときと
同じ顔してるヤツはいないから。

で、この『校閲ガール ア・ラ・モード』。

何十年なんていわずに、
たぶんもっと短い時間で、
この本の内容忘れちゃうだろうな。




校閲ガール ア・ラ・モード
宮木 あや子
KADOKAWA/角川書店 (2015-12-18)
売り上げランキング: 480,777




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月22日金曜日

『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』(鹿子裕文)読みました。


ぼくの貧弱な記憶を頼りに書くので、
間違っていたらごめんなさい。

ぼくの好きな漫画、
大友克洋さんの『気分はもう戦争』の
あらすじです。

(好きだっていっていながら、
 読んだのはもう10年以上前。
 いやもっと前かも。んで、それから
 読み返してもいないんです)

二人組だったか
三人組だったかの若者が、
あちこちの戦争やら紛争やらの
戦場に行って、
とにかくどっちかの側について
戦いまくる。

そいつらが、なぜか知らねど、
なんだか強くて、いつも勝ち残る。

それを見ていたどっかの大国が、
そいつらに、傭兵になってくれと
オファーを出す。

大金を積んだのか、
とてつもなく偉い人が
頭を下げて頼んだのかは忘れたけど、
破格の待遇で依頼する。

んだけど、
やつらは「ヤダ!」って断っちゃう。

「そんなことのためにやってるんじゃねぇ!
 オレらは好きで戦争してるんだ!」って。

戦争っていうのが、
ちと引いちゃうかもしれないけど、

何のためでもなくて
「ただ好き」というのが、ぐっと来て、

「いいなぁ、こいつら」と
読み返してもいないのに、
いつまでも頭ん中に残っているんです。

で、この『へろへろ』。

「ただ好き」でやっている人たちが、
いっぱい出てきます。

……いいです。
笑いました! 泣きました!
今年はまだ4カ月しかたってないけど、
たぶん今年のベスト1(今んとこ)。



へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々
鹿子 裕文
ナナロク社 (2015-12-12)
売り上げランキング: 5,711



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月20日水曜日

『おんな牢秘抄』(山田風太郎)読みました。


2、3年前に
電動バリカンを買ってから、
散髪はセルフでこなし、
床屋さんには
ほとんど行かなくなりました。

最初は、あまり上手にできず
「なんか変だよ」
とみんなに言われていました。
(特に思うように手が届かない後頭部)

それでも最近は、
以前ほど「変」とは言われなくなった。
ぱっと見ごまかせる程度には、
仕上げられるようになったみたいです。

ただどうしても、
いつもデコボコ感が
残ってしまう部分があります。

頭のてっぺんより少し後ろのトコ。

なんでだろうと思って触ってみると、
わずかにへこんでいる箇所がある。

指の腹1本で
おさえられるくらいの小ささ。

きっと、
面積が小さいがゆえに
幅広のバリカンがスルーして、
刈るべき髪を
残してしまうのだと思います。

その部分が鏡にもきちんと映り、
容易に手が届く場所なら、
ハサミを使って対処するすべもあります。

でも、なにせ後ろ。

毎回、「ま、いいか」と、
ちょい盛り上がりを
そのままにしています。

で、この『おんな牢秘抄』。

それなりにワクワク感のあるお話が続き、
ちょい盛り上がりの部分がある。

まるでぼくの散髪あとみたいな本でした。



おんな牢秘抄  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
山田 風太郎
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-09-25)
売り上げランキング: 747,578



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月18日月曜日

『デューン 砂の惑星(中)』(フランク・ハーバート)読みました。



毎日通っているジムで、
ふと気づきました。

「そういえばサランデルが来てない」

いつから来てないのか
はっきりと思い出せませんが、

手がかじかんでいた冬の頃には、
ストレッチスペースにいるのを
欠かさず見かけていたので、

たぶんこの4月から
職場の都合とか引っ越しとかで
違うジムに移ったんでしょう。

サランデルは、
ぼくの頭の中で勝手につけた呼び名。

彼女とは挨拶すら交わしたこともなく、
ジムで横目に見るだけの人です。

いつも一人で
ヨガ体操のようなストレッチをしていて、

えび反りになり足の裏を
頭のてっぺんにくっつけて
そのままの体勢を維持していたり、

きれいなY字バランスを、
ぼくがジャグジーで
ぬくぬくしている間ずっと続けていたり、

滅茶からだが柔らかい。

前に読んだ本で、
主人公を描写した姿に似ていたので、
その呼び名をつけました。

(『ミレニアム』の主人公、
  リスベット・サランデル)

身体の柔軟性には感心してたけど、
憧れとか恋心とか、
そんな特別な気持ちが
あったわけじゃありません。

日常風景の一部って感じかな。
いつから来なくなったのか
わからないほどだし…。

で、この『デューン 砂の惑星(中)』。

ぼくの頭の中に
今まで読んだ本の本棚があるとして、
棚からいつの間にか消えちゃった一冊があっても、
サランデルのように
なくなったことに気づかない作品……かな。

とりあえず後編を読みます。



デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF)
フランク ハーバート
早川書房
売り上げランキング: 259,093



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月15日金曜日

『隠れアスペルガーという才能』(吉濱ツトム)読みました。


少し前、
友人と一緒に、
とある設備の営業マンの話を
聞く機会がありました。

友人もぼくも
それほど興味がある設備ではなかったので、
「うちでは使い切れない」
「それは要らない」
などの返答を、
話の合間合間に挟んでいました。

それでもその営業マンは、
まるでぼくたちの答えは
聞こえなかったかのように、
説明を続けます。

同じセリフを毎日の舞台で
繰り返す役者さんみたいに。

観客が泣こうが笑おうが、
そんなことには関係無く、
芝居の中に入り込む名優さながらに。

まあ結局、
提案してくれた内容は
「今回は見送りさせてください」
となったんですが…。

その営業マンが帰ったあと、
友人がぼくに言ったんです。

「あの人はたぶん、
 少しアスペルガーなんだろうね」

ぼくはそれまで
「アスペルガー」って言葉を知らず、
思わず「それって何?」って聞きました。

でも、
実は友人もそれほど深くは
知らなかったようで
「いや、なんとなくだよ、なんとなく」
とモゴモゴ言葉を濁しただけ。

ぼくの気持ちのほうが
なんかモゴモゴしてきて、

で、この『隠れアスペルガーという才能』

を読んだんです。
友人がきちんと答えられなかったこと、
大づかみには、理解できました。

この本で挙げてる症状、
ぼくにも当てはまる部分あるけどなぁ。



隠れアスペルガーという才能 (ベスト新書)
吉濱 ツトム
ベストセラーズ
売り上げランキング: 28,091




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月13日水曜日

『デューン 砂の惑星(上)』(フランク・ハーバート)読みました。



前回、
バドミントン部OB会のことを
書いたので、それ引きずって
今回も同じネタ。

ぼくがバドミントンをするのは
年に1度のこの機会だけなんです。

だから、
会が始まってシャトルを
打ち出すときには、
感覚が鈍っていて、
どうにもこうにも上手く動けない。

球はラケット面の真ん中には当たらず、
カキンって音を出しながら
端っこのフレームにぶつかり、
あらぬ方向に飛んでいく。

左右の足の運び方がわからず、
もつれながら何度も転ぶ。

かと思えば、
手も足もまったく動かず、
直立不動の姿勢のまま、
シャトルがコートに落ちていく様子を
ただ見守っている。

それでも、
何回かゲームをこなすうちに、
なんとなく感覚が戻ってきて、

「そうだバドミントンって
 こうやるんだった」

と気づくようになる。

それが、
会も終盤のあと10分で撤収という頃。

身体を馴染ませるには、
それなりの時間と労力が
必要だってことです。

学習能力が欠落しているぼくは、
毎年同じことやってます。

で、この『デューン 砂の惑星(上)』。

上中下の3巻にわかれてるその上巻。
ラスト30ページくらいまでは、
馴染ませ時間でした。
いざ、中巻へ。


デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF)
フランク ハーバート
早川書房
売り上げランキング: 16,328



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月11日月曜日

『信頼学の教室』(中谷内一也)読みました。



この前、高校時代の部活の
OB会がありました(バドミントン)。

1年に一度、
母校の体育館に集まって、
現役と卒業生が一緒に
バドミントンをする。

昼間の運動が終わったら、
夜は卒業生だけで親睦会。
つまり飲み会です。

そのとき、
なんとまぁ、このぼくが

「きくち先輩って、
 記憶力がいいですね」

と言われたんです。

バド部は
そろそろ40周年を迎えるらしく、
ぼくは創部の頃の部員だったので、
後輩はたくさんいます。
(正確には約30年分の後輩)

そのほとんどは、
年に一度のこのOB会で
初めて顔を合わせ、
そのあともこの会で見かけるだけの人。

なので、
一人ひとりの後輩の顔や名前は
なかなか覚えられないんです。

去年一緒に
ダブルスを組んだ卒業生なのに、
今年は、現役高校生と勘違いし

「初めまして、きくちです。
 今、何年生?」

なんて聞いたりする。

要するにぼくの記憶力は
並み以下なんです。

(この前「松屋」で
 初めて牛丼のミニを注文しました。
 並みより小さかった)

それなのに、
記憶がいいと言ってくれる後輩がいた!

それは、飲み会のとき、
ふと思い出した去年の光景を
口にしたからでした。

「そういえば、去年はスマホじゃなく、
 ちっちゃな緑のガラケーだったよね」

「なんでそんなこと覚えてるんですか?
 先輩、すごい! 自分でも忘れてた」

ってことになった。

ぜんぜん名前を覚えず、
まったく信頼されていなかったきくちが、
ほんの10分間だけ、
頼りになる先輩かも……
と思われた瞬間でした。

で、この『信頼学の教室』。

たぶん、
明日には読んだ内容を忘れてます。


信頼学の教室 (講談社現代新書)
中谷内 一也
講談社
売り上げランキング: 56,273



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************

2016年4月8日金曜日

『暗闇から世界が変わる』(志村真介)読みました。


今読んでいる別の本に、
人間の進化について、
明確な答えの出ていない議論がある、
と書かれていました。

「自分以外のモノを信頼するように
 進化してきたのか」 

「疑う能力の高い人が生き残ってきたのか」

どっちなのか、って議論。

そりゃもちろん「信頼」だよ
という人の言い分は、

信頼する
 ↓
集団の団結力が高まり、
狩りでもたくさんの食料が手に入る
 ↓
団結しない集団は獲物が少ない時期などに
対処できず淘汰されていく
 ↓
信頼集団が生き残る
 ↓
信頼の遺伝子が引き継がれるよう進化。

それとは逆に、
「疑り」だよって人は、

信頼する(疑わない)
 ↓
危険な動物なんかにも気軽に近づいたり、
自分の食べ物を横取りする人の
かっこうの的になる
 ↓
疑う能力が高い人が生き残る
 ↓
疑い遺伝子がどんどん進化。

……これはまあ、
どっちがどっちという決めつけじゃなく、
どっちもあるってことでしょうね。

同じ一人の中にも、
他人を信頼する心もあり、
疑う気持ちもある。

どっちの割合が多いか…の違いだな。

で、この『暗闇から世界が変わる』。

これからの人間は、
信頼の遺伝子が優勢になって
進化していくんじゃないかと
思わせてくれました。





**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************