2014年8月21日木曜日

『親鸞 激動篇(下)』(五木寛之)読みました。

一度、詐欺の被害に遭った人が再度だまされてしまう。
それどころか、何度も手を変え品を変えた手口に、
同じ人が引っかかってしまう。
そんな話をよく耳にします。

ぼくのような凡人は、
一度だまされたから、もうだまされることは
ないだろうと思ってしまうのですが、
どうやらそうではないようです。

人をだまくらかして、
自分だけ「うっしっしっ」になろうなんて
考えている人は、一度引っかかった人こそ、
ターゲットにしやすいんでしょうね。

話は飛びますが、
上下巻の分冊になっている本があって、
上巻はすごく面白かったから、すぐに下巻を買い、
読んでみると、上巻ほどは面白くはなかった
ってことはよくあります。

「よくある」のはつまり、
何度も同じ失敗を繰り返しているってこと。
詐欺の被害に遭ってしまった人に比べれば、
ぜんぜん深刻な事態じゃないんですけど、
これもやはりターゲットにされているようなもんでしょうか。

で、この『親鸞 激動篇(下)』。

上巻はエンタメしてて、わくわく楽しく読めました。
でも、この下巻はスピードダウン。
思えばそれって、
この作品の前作(『親鸞 上・下』←「激動篇」の前)の
ときと同じだったな……。

そうはいっても、
次に「完結篇 上・下」とか出たら、
また買っちゃうだろうな。


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2014年8月19日火曜日

『ゴッドウルフの行方』(ロバート・B・パーカー)読みました。


ざぶーんと来て、スススッって引いていって、
また、ざざーんと来て、
「いやいや、そんなつもりじゃなかったんです、
 ごめんなさいね」って感じで、
スススッシュルシュルって戻っていく。
一応これ砂浜に来る波のこと言ったつもりなんです。
わかってくださいね。

んで、この砂浜に来る波って、
とくに何かを物語っているわけじゃないに、
ずっと見ていても飽きないんですよね。

物語が書かれている本だって、
ずっと見てたら(読んでたら)飽きちゃうのに、
波はそうじゃない。

波が、人を飽きさせないように、
何か面白いたくらみをしてるわけなじゃないっすよね。
それどころか、
「もういい加減、飽きたらどうよ」と言ってるように、
同じ動きを繰り返している。

そんで、それを見ているぼくのほうも、
その中に何か意味を見出そうとしているわけじゃなく、
ましてストーリーの中に
引き込まれようとしているのでもなく、ただ見ている。
それでも、ずっと見てられる。

あっ、川の流れとか、雲の動きなんかもそうかな。
不思議ですね。

で、この『ゴッドウルフの行方』。

ぼーっとしながら、ずっと眺めていても飽きない、
波とか川とか雲とか、そんな本でした。
きちんと聴いてはいないんだけど、
ずっと流していたいBGMみたいな感じかな。


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2014年8月15日金曜日

『「超常現象」を本気で科学する』(石川幹人)読みました。

小学校でも中学校でも高校でも
いつでもいいんですが、
その学校時代の卒業アルバムを見て、
「こいつと一度も話したことない」
って気がするクラスメイトが一人や二人はいます。

集合写真に載っている名前と写真を見比べれば、
確かに同じ教室で同じ時間を過ごしたヤツだ
ってことは思い出します。

でも、
そいつと口をきいた記憶はまったく出てこない。

教室の中のどの辺の席に座っていたかとか、
ぼくと同じで鉄棒の逆上がりができなかったよな、
ってことなら思い出せる。
だから、そいつ自身を忘れてるわけじゃないない。
ってことは本当に
話をしたことがなかった人たちなんでしょう。

(あっ、ちなみに、これは男子限定のお話です。
 女子とはほとんど会話した覚えはなく、
 逆に話をした人の数が一人や二人って感じでした。
 女の子と話をするなんて大それたこと、
 びびりのぼくにはできなかったんです)

確かに一緒に過ごしたのに、
単に自分の近くを通り過ぎていっちゃった人たち。
特段の印象も残さずに、でもいたことはいた。
まあ、だからどうだってことはないんですけどね。

で、この『「超常現象」を本気で科学する』。

卒業アルバムを見て「一度も話したことない」と
気づいたクラスメイトの印象。
それと同じような雰囲気の読後感でした……なんのこっちゃ。



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2014年8月13日水曜日

『All You Need Is Kill』(桜坂洋)読みました。

駅ナカの立ち食いソバ屋さんで、
「ここのおソバはわりかし美味しかったな」
と思いながら店を出たとき、
以前、友だちが言っていたことを思い出しました。

その友だちは、
まさにそのソバ屋さんのことを、
めちゃめちゃけなしていたんです。
「あそこのソバ、ホントまずいんだよ!」

店に入ったときは、そんなことは忘れていて、
何の先入観もなしに出された天玉ソバをかきこんだ。
もし、友だちのセリフを思い出していたら、
たぶん、その店には入らなかったでしょう。
思い出したのが、お腹が満足してからで良かった。

まあ、そんな感じで、
人の好みは、人それぞれなんですね
(ぼくが特に味音痴だともいえますが…)。

だから、もちろん、
この例とは逆に、人が美味しいっていう店でも、
まったく口に合わないこともある。

で、この『All You Need Is Kill』。

有名な俳優さんが主演で、
海外で映画化されたって話を聞いたので読んでみました。
映画をつくった人は、
この小説がとっても面白いと思って、
映像にしたんでしょうね。

人の好みは、人それぞれってことを、
あらためて実感しました。



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2014年8月11日月曜日

『親鸞 激動篇(上)』(五木寛之)読みました。

だいぶ前に、源氏物語の54帖を、1帖8コマの
マンガで描いた『まろ、ん? 大掴源氏物語』って
作品がありました(今も売られてると思います)。

出版されたばかりのときは、
結構売れていて、
ぼくも楽しく読んだのを覚えています。

その本に対して、
たしか瀬戸内寂聴さん(源氏物語を全訳しています)が、
こんなコメントを寄せていました。

「とにかく面白くなくちゃダメ、
 この本は面白いからOK」

こんなくだけた口調のわけはないので、
大まかにそんな内容だったってこと。
それを聞いて、ぼくは大きくウンウンとうなずいて、
感心しちゃいました。

そうですよね、権威がある古典だからって、
面白くなきゃ、みんな見向きもしないだろうし、
それをしかめっ面して
小難しく解釈したり、訳したりしても、
受け入れられることはないでしょう。

で、この『親鸞 激動篇(上)』。

たぶん偉いお坊さんなんです親鸞さんは。
だから、しかめっ面して小難しく解釈した本を書くことは、
いくらでもできるんだと思います。
でも、それじゃ面白くない。
大御所の五木寛之さんは、
それがよくわかってるんだと感じました。
だって面白いんですから、この本。
下巻もこのまま続けばいいな。


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2014年8月4日月曜日

『首都消失(下)』(小松左京)読みました。


いきなり「下」方面の話で恐縮ですが、
お腹を下していたりして、
どうしてもトイレを我慢できないときには、
大事な会議の最中でも、
苦しい表情を見せながら
「申し訳ありません、ちょっとトイレ…」
と言って席を立つのがいいですよね。

そんな状態で、会議なんかしても、
ちっとも頭に入りゃしないし、
まして事態を打開する発言も、
いいアイデアも出てくるわけがない。

第一にするべきことは排泄で、
そのタイミングで、
ほかのこと考えるのもやるのもダメ。

同じように、
長い時間水分補給ができなくて、
死にそうなくらい喉が渇いていたら、
何を放り投げても、水を飲まなきゃいけない。

そうしないとホントに死んじゃいますから。
そのタイミングで第一にやるべきことは水分摂取で、
会議でも戦争でも恋愛でもない。

何か特殊な状態になったとき、
そこでやるべきこと、考えるべきことって、
たぶん一つなんだろうなって思います。
その「特殊な状態」がどんなものなのかにもよりますが。

で、この『首都消失(下)』。

題名通り、首都圏全部がどうにかなっちゃうお話。
一千万以上の人たちの安否がわからずにいるとき、
伝えて欲しいのは、
この小説で語っている内容とは違うよな……
そんな気がしました。
もっと違う「特殊な状態」を
前提として設定してくれれば、
納得して読めたと思うんですが……。


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2014年8月1日金曜日

『深夜特急〈1〉香港・マカオ』(沢木耕太郎)読みました。

どの本を買うかの判断基準の一つに、
表紙のイメージがあるってよく聞きます。
いわゆる「ジャケ買い」。

出版社の人とかと話すると、
このジャケ買いの比率って、
結構な割合を占めているらしいんです。

中身は、つくった本人さえも満足していないような、
けっこうずたずたの内容なのに、
「表紙が良かったから、
 すっごく売れちゃった、てへっ」
なんてセリフを聞いたりします。

でも、どいうわけだか、ぼくは今まで一度も
「ジャケ買い」をしたことがないんです。
というか表紙を見ないで、
棚から抜いたまま買っちゃうことも多い。

んで、それとは逆に、
表紙を見たから、買わなかったってことは、
ままあります。「ジャケ不買」とでもいいますか。

書評とかで興味を引かれて、
買おうかなと本屋さんに行って表紙を見たら、
なんかおどろおどろしい感じで、
読むのが怖くなってやめちゃった本。
中身読んでから判断しないといけないのに、
もったいないですよね。

で、この『深夜特急1 香港・マカオ』。

あちこちで何度もイイネって評価を見かけていたので、
ずっと買おうとしていたんです。
でも、その度に表紙を見て、
なんか怖くなって買わずにいました。何年も。
それが今回やっと書店のレジまで運ぶことができた。
(棚から抜いたまま運んだかでしょう、きっと)

で、で、やっぱイイ本でした。
今まで手を出さなかったのが悔やまれます。
続編はためらわずに即買いしよっと。


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2014年7月30日水曜日

『「悪」と戦う』(高橋源一郎)読みました。

前に書いた『楽園のカンヴァス』は(この下の投稿)
1年ほど前に読んで
5つ星をつけるほど面白かったので、
あの感動をもう一度って感じで再読した本でした。

ストーリーの細かいところは忘れかけているけど、
それにしたって大筋はわかっているのだから、
最初に読んだときよりは、
感激は薄いだろうと思っていました。
だらだらと文章を追って読んじゃうだろうなって。

でもでも!
そうじゃなかった。

ぼくの記憶力の悪さを甘くみてました。
「えっ、そうだったけ!?」とか
「こんな仕掛けがあったんだ!」とか
びっくりし通しで、
最初のときより、数段面白かった。

そんな本ってあるんですね。
まあ、もっと期間を置かないで
記憶が確かなうちに再読すると、
また違っているのかもしれないけど……。

で、この『「悪」と戦う』。

『楽園のカンヴァス』同様の再読トライでした。
面白かったです。
……ただ、最初の面白さよりは、
やっぱ感激は薄れていた。
読み直す度に面白くなる本なんて、
そうそうないでもんですね。
二匹目のドジョウ捕獲失敗。


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2014年7月28日月曜日

『楽園のカンヴァス』(原田マハ)読みました。

西洋絵画の歴史を
初心者向けに紹介する本、
つくったことがあります。

そのとき思ったのは
「画家の人たちってホントに面白い!」
ってこと。

そんじょそこらの映画や小説をみるよりも、
数倍ドラマチックで波瀾万丈、
そしてみんなキャラが立っている。

ダビンチ、ミケランジェロから
セザンヌ、ゴッホ、ピカソ
それからロスコにウォーホルなどなど。
これはたぶん、誰を題材にしても面白くなるから、
もしそうした小説を読んで「これいい!」って思っても、
それはその作者の力というより、
ネタの魅力なんだと考えたほうがいい。

もっと言っちゃうと、
画家が出てくる物語を書く人はずるい。
だって、最初から面白いってわかってるんだから。
その作家さんの実力で面白くするわけじゃないんだから。

で、この『楽園のカンヴァス』。

画家が出てくるお話。当然、面白いんです。
でも、この本の面白さは
ネタの魅力だけじゃありませんでした。
(それを確認するために再読したんですが)。

原田マハさん巧い!うますぎ!
ほかの作品も読もっと。


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2014年7月24日木曜日

『首都消失 (上)』(小松左京)読みました。

知人を6人たどっていけば、
世界中のすべての人とつながれる
って話をどっかで聞いたことがあります。
友だちの友だちは皆友だちだってことですね。

人だけじゃなく本も
似たような感じでつながるような気がします。

その本に書いてある参考文献とか、
解説で紹介してくれる関連書籍とか、
ネットにある感想文の
「この話、あの本のネタに似ている」とか。

そんなのをたどっていくと、
6冊どころか3冊くらいのつながりで全部の書籍に
つながっちゃうんじゃないかなって思えます。

ぼくが読む本を選ぶときにも、
前に読んだ本のつながりってことは結構あります。

で、この『首都消失(上)』。

スティーヴン・キングさんの『アンダー・ザ・ドーム』
からのつながりで読んだ本。
『アンダー〜』が『首都消失』と同じじゃん
という内容の感想がネットに書かれていたので、
読んでみました。

まぁ、理屈をこねくり返せば
同じと言えないことはないけど、やっぱちゃいますね。
まだ上巻しか読み終わってないけど、
今の時点では、キングさんのほうがいいな。


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2014年7月22日火曜日

『親鸞(下)』(五木寛之)読みました。

とある売れっ子作家さんが
インタビュー記事の中で、
こんなことを言っていました。

──小説家としてかなり経験を積んできた。
だから、依頼された長さに合わせて、
規定の文字数にすることが、
わりとスムーズにできるようになった──

この記事を読んで、
それまで感じていた違和感がどこからくるのか、
その理由がわかった気がしたんです。

ぼくがその人の作品を読んで感じていたのは、
しっくりくる部分と、なんか合わないという部分が
ランダムにでこぼこ出現していたこと。

それが、このインタビューのコメントから、
「しっくり」
 → 文字数を気にせず物語に集中して書き込んだ部分
「なんか合わない」
 → 依頼の長さを気にして、引き伸ばした部分
なんだろうなと思い至りました。

一冊にまとまられる前に雑誌で連載され、
その細切れの一回ごとに、
引き伸ばし作業があったのだと勝手に想像。
そういう部分って、
「コレ!」とはっきり指摘するのは難しいんだけど、
わかっちゃうんですよね。
においというか、雰囲気というかで。

で、この『親鸞(下)』。

上下巻あるうちの「下」。
上巻はジャストミートの「しっくり」でした。
でもこの下巻はあいにく「なんか合わない」でした。


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2014年7月18日金曜日

『藍のエチュード』(里見蘭)読みました。

昔、友だちのアパートに遊びに行ったとき、
部屋にフォークギターがあるのを見つけました。

そこで「何か心にしみる歌、弾き語りしてよ」
と頼んでみると、彼はしばらく考えて
『はじめ人間ギャートルズ』のエンディング
『やつらの足音のバラード』を歌い出したんです。

そんとき、ぼくは、「なぁ〜んにもない♪」って
最初のフレーズを聴いただけで、

「なんだよ!
 そんな、おちゃらけアニメのヤツじゃなくて、
 もっとマジなヤツにしてよ」

と言っちゃいました。すると彼は、

「何言ってんの!? 名曲だよこれ!
 宇宙の創成期から人類の誕生まで、
 悠久の時の流れが詰め込まれた歌なんだから」

と真顔で反論し、はじめから歌い直したんです。
仕方なくぼくも姿勢を正して聴いてみると、
「ほー!確かに、こりゃイイ歌だ!」
と感じ、いつの間にか全身に鳥肌が立っていました。

そうなんです。
子ども向けアニメの主題歌には、
ときどきタダもんじゃない歌詞が潜んでいたりします。
『やつらの〜』のほかにも、

「どう生きるのが幸せなのか、
 わからないまま終わりたくない」

と歌う『アンパンマンのマーチ』も、そうですね。

で、この『藍のエチュード』。

アンパンマンの主題歌が
効果的に引用されている部分で、
泣いちゃいました。


藍のエチュード
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2014年7月16日水曜日

『想像ラジオ』(いとうせいこう)読みました。

全部で54巻(帖)ある
あの長い長い『源氏物語』。
でも、34〜35帖の「若菜」だけ読めばいい
──誰かがそんなことを
言っていたように覚えています。

(たしか有名な作家とか評論家とかだったと
 思うのですが、忘れちゃいました。
 ググれば出ててくると思うけど、
 こういう場では調べないで書く方が、
 なんとなくいいような気がして
 ……めんどくさいからやらないって
 ワケじゃないっすよ、
 まぁ、それもちょいあるけど)

さて、
どういう経緯で、その「〈若菜〉だけでいい」
という言葉が出てきたのかも、はっきりわからないから、
ここでぼくなりに独断の想像をしちゃうと、

「源氏物語は全部面白い、面白いけど、
 そのうち特に〈若菜〉は、別格で面白い。
 あの長い源氏物語を読破しきれない人は、
 せめて〈若菜〉だけでいいから読んでみたら」
ってことではないかと。

確かに、
かつて自分がやった不実と同じような裏切りを、
他の人から受けちゃうっていう
光源氏のシチュエーションは、
「よくぞ、千年前にそれだけのものを書いた」
とびっくりですからね。

で、この『想像ラジオ』。

〈若菜〉だけ読めばいい。
じゃなかった、
163〜168ページの魚の缶詰工場で働く
女子事務員の部分だけ、読めばいいです。


想像ラジオ
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2014年7月14日月曜日

『他人を攻撃せずにはいられない人』(片田珠美)読みました。

どきどきはらはらの物語をつくるには、
悪役がめっぽう強くて、
とんでもなく悪い奴でないと
メリハリがつきませんよね。

弱っちくて、悪い事ができないヤツだったら、
そもそも悪役じゃないし、
正義の主人公とも対決できない。

んで、強くて極悪のキャラクターを
登場させたとき「そんなヤツいねーよ」と
鼻で笑われないようにもしなくちゃいけない。
リアリティですね。

そこで、少しでも現実を学んでおこうかなと
考えて読んだのが、この本でした。
『他人を攻撃せずにはいられない人』。

なかなか売れているらしんです、この本。
だから、ぼくなんかが
少し厳しい評価をしたとしても、びくともしない。
なので、言っちゃいます。

久々に読んだ
「人にはあまり薦めたくない本」でした。

オビに「害になる人の精神構造」
って書いてあるから、
「わっ!それがわかるんだ」
と勇んで読み進めたんですが、
深くは言及されてない。

それよりも、
その人たちの攻撃パターンが
あれこれ列挙されている。
ぼくはその攻撃の技より、
心の中を知った気になりたかったんですけど…。
つまり、
タイトルや帯のコピーに
うまくつられたってことかな。
その意味では、
この本、成功していると言えますね。


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2014年7月11日金曜日

『クラスメイツ〈後期〉』(森絵都)読みました。

三十数年前の中学三年生の教室。
文化祭の出し物を決めるホームルームです。

最終的には、みんなで何をやるか決めるのだけれど、
「とりあえず俺は、お芝居を提案する」
と最初に担任の先生が発言しました。

そのあと先生は、
おもむろになんかのファイルを取り出し、
印をつけていた用紙のところを開くと
「例えばこんな話がいいと思う」と言って、
それを読み始めました。

「タイトルは〈ぼくはロボット〉だ」

……えっ!? それってもしかして
……先生の声を聞くうち、
ぼくは机の落書きを見つめたまま、
じっとうなだれて身動きできなくなりました。
顔が火照ってきます。

先生が読んだのは、
ぼくが卒業文集の原稿で書いた
ショートショートのお話だったんです。
その頃よく読んでいた星新一さんの
真似をしてつくったストーリー。

先生はたぶん、
物語の善し悪しより生徒がつくった
オリジナルの話で芝居がしたかった。
それを他の先生たちに自慢したかった
のだと思います。

そのネタにされたのがぼく。
事前に何も知らされず、いきなりみんなの前で、
自分の作品を読まれたときのどきまぎ感は、
宿題忘れたことを指摘されるよりも
レベルは数段上でした。
ちょっとは誇らしいとか嬉しいとか
そんな気持ちも入っていたんですけどね。

でも結局、文化祭の出し物は、
無難にやれる流行歌の合唱とかになっちゃったんですが…。

で、この『クラスメイツ<後期>』

中学生の頃を思い出したい人には、
ぴったりの本です。


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