2014年11月10日月曜日

『シャイニング(下)』(スティーヴン・キング)読みました。

昔は、テレビがついていたり、
人の話が聞こえてきたりする場所で本を読むと、
ちっともその内容が頭に入らず、
何度もページをめくり直して、
読書が進みませんでした。

脳みそががんばって
「文章も読み解きつつ、周囲の音も理解しなくちゃ」
とマルチタスクの処理に向かっていたんだと思います。
んで、結局どっちつかずになっていた。

でも最近は、
本を読んでいるときには、
わりと周囲の音が気にならず、
テレビがついていても、
近くで誰かかが会話していても、
すすっと内容を
理解できるようになってきたんです。

それはたぶん、
脳みそにあきらめの境地が
入ってきたからだと思います。

「あっちもこっちも理解するのは疲れるよ、
 もういい年なんだから」
って感じかと。

そのあきらめの境地は、
本の内容が面白いとき、顕著にあらわれます。
逆に、書かれている内容に
気分が乗らないときは、
なぜか、あきらめさんの勢力は衰え、
マルチタスクさんが頭をもたげます。
不思議なもんです。

で、この『シャイニング(下)』。

どうしたことでしょう。
上巻はあきらめさんが優勢だったのに、
この下巻では、
マルチタスクさんのがんばりが凄かった。
読書中は、テレビの音が小さくても、
ひそひそ話の会話でも、
なんかやたらに気になっちゃいました。


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2014年11月6日木曜日

『蜩ノ記』(葉室麟)読みました。

書道コンテストの実況中継をしていた
テレビ番組がありました。
もしかしたら、バラエティ番組の
1コーナーだったかもしれません。
いつのことだかも覚えてないんですが、
とにかくぼくはその番組を観ていて、
解説者が言ったコメントが頭に残っているんです。

「素晴らしい!
 一文字目の最後の跳ねる部分は明らかなミスで、
 全体のバランスが崩れかかっていましたね。
 それをきちんと自覚して、
 二文字目で崩れたバランスを補うように、
 文字の大きさを調整しています。すごい!」

こんな感じの解説者の言葉なんて、
テレビの中にあふれているのに、
なぜかこれは残っている。

それはたぶん、
自分のやってる仕事と比べたからだと思います。

原稿を書く仕事は、
ミスったと気づいた段階で何度でも書き直せる。

でも、書道は一回こっきりのその瞬間だけ。
やり直しはできない。そんな作業なのに、
解説者がほめた人は、
軌道修正しながら作品を仕上げた。

なんか見習いたいなと思う所があったから、
覚えてたんでしょうね。

で、この『蜩の記』。

途中で、
「えっ、それはちょい違和感ある。強引…」
って思った箇所がありました。
でも、最後まで読むと、
ちゃんと収まるとこに収まってました。
書道の解説者みたいなほめ言葉が浮かんできました。



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2014年11月4日火曜日

『深夜特急〈4〉シルクロード』(沢木耕太郎)読みました。

もう20年近く前に、
外国で暮らしたことがある友だちから聞いた話です。
海外生活で、禁断症状的に求めてしまうもののこと。

何のことかって言うと、日本語の「活字」。

当時は携帯もインターネットもないから、
文章を読みたかったら印刷物に頼るしかない。
でも、
海外で日本語の文章が印刷されているものを
手に入れようと思っても、
日本にいるときのように簡単にはいかない。

だから、
滞在先でたまたま出会った日本人旅行者が
母国語の本を持っていると、
それに飛びつくように群がっちゃう。

相手の旅行者も同じように
日本語禁断症状になってるから、
互いが持っている本
(何度も読み返してすり切れた感じのヤツでも)
を交換して、両者安堵のため息をつく。
との、経験談でした。

とはいえ今は、
スマホなんて便利グッズがあるから、
そんな経験、誰もしなくなってるんだろうな。

で、この『深夜特急4 シルクロード』。

まさに、この友だちと同じ話が出てきました。
世界を旅していた40年前ほど前の若者たちが、
どこかの異国で日本語の本を交換し合っていた話。

今は電子書籍でかさばらずに何十冊も持ち運べるから、
禁断症状も起こらないと思いますけどね。
……うーん、紙の本って、いいっすね。


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2014年10月31日金曜日

『四人組がいた。』(高村薫)読みました。

似合うか、似合わないか、それは問題です。

ぼくなんかがもし女装をしたら、
そりゃもちろん、似合いません。
いやいや他人の判断なんか必要ありません。
似合わないんですから……やったことないけど。

この前、なんかの飲み会で、
誰かかがふざけて持ってきたアフロのズラを、
みんなでかぶりっこしました。

当然、カッコ良くなっちゃうヤツもいれば、
どっかの爆破現場から
逃げ出してきたような姿になるヤツもいる。

そのとき思ったのは、
似合うか似合わないかは、
その人が持っている外形では
決まらないんじゃないかってこと。

顔や頭の形とかそういうのではなくて、
性格というかキャラというか、
内面的なものが影響していると感じたんです。

その人の中身が、
そのズラやら服装やらを
受け入れるような形になってるか否か。
フィットする形であれば、
それが似合うってことで、
種類の違う形であればイタい姿になる。

で、この『四人組がいた。』。

どうでもいいけど、タイトルに句点「。」が入ると、
句点がつながって絵文字みたいになっちゃいますね。
と、いうことで、
高村薫さんにはユーモア小説は
似合わないなと感じました。



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2014年10月27日月曜日

『Another(下)』(綾辻行人)読みました。

ダチョウ倶楽部のギャグで
「聞いてないよぉー」
っていうのがありましたね。

ネットで調べてみたら十年以上前に
流行語大賞の銀賞をとってるみたいです。

あの方たちは芸能人で、
サプライズのひどいことをされるが商売になっている。
聞いてなくても、ネタになるから、
それはそれで良しとなります。

でも、ぼくら一般の人は、
やっぱ事前に知らせて欲しい。
いつもと同じギャラをもらえると思ってやった仕事で、
「ありがとうございます!
 今回は予算がないからノーギャラなのに、
 よくがんばってくれました!」
なんて言われようものなら、
「聞いてない」どころの騒ぎじゃおさまりません。
(幸い今までそんな場面はありませんでしたが…)

で、この『Another(下)』。

どんでん返しっていうわけじゃないんだろうけど、
「それは聞いてないよー」でした。
なんかずるいなと思ったのは、ぼくだけかな。



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2014年10月24日金曜日

『シャイニング〈上〉』(スティーヴン・キング)読みました。

小説の売り文句で
「一気読み必至!」ってありますね。

物語にぐいぐい引き込まれて、
ページをめくる手が止められなくなり、
ほかのこと忘れて読みふけっちゃっう。
それくらい面白いから読んでね、みたいな。

小説っていうのが、どれもこれも全部
「一気読み必至!」だっらいいんですけど、
そうじゃないのは皆さんもご存じの通りです。

とはいえ、
一気読み本だけが面白いのかというと、
そうでもないですよね。

前に読んだところを
いとおしげにめくり直しながらとか、
ため息つきながら一行一行に立ち止まりながらとか、
そんなふうに読める本なら、
もしかしたら一気読み本よりも面白いかもしれません。
まあ、ぼく的には、活字が並んでいさえすれば、
どんな本でもいいと思ってるところが
ないわけでもないわけで。

で、この『シャイニング(上)』。

キング好きの人からは、
何を今さらって言われそうだけど、
やっぱもう一回読みました。
このお話の続きが出るとかって噂を聞いたものですから。

それでわかったこと。
大抵のキング作品を
ぼくは一気読みジャンルに分類してるけど、
これはそこからちょっとはみ出してるなってこと。
立ち止まりながらのため息ジャンルも入ってる。
なので、即座に下巻読んで、その分析が正しいか判断します。



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2014年10月22日水曜日

『光と風と夢・わが西遊記』(中島敦)読みました。

「開く」って言葉があります。
ここでいうのは漢字をひらがなに直すこと。

(おそらく業界用語だろうと思って辞書をみたら、
 「漢字→ひらがな」の意味も載っていました。
 へぇ〜一般的な言葉なんだ)

本の校正刷りなんかに、
赤ペンで修正指示を入れるときに使ったりする言葉です。

「菊池」って印字してあるところに
赤線を引っ張って「開く」指示を入れると
「きくち」になる。

ぼくは、
自分の知的レベルがそれほど高くないこともあって、
開くのが好きです。

その度が過ぎて、
言葉の意味的なことにまで、
この「開く」を使って赤ペンを入れることがあります。

要するに、難しく書くのはやめようよ、
もっと誰でもわかるように簡単に書こうよってこと。

ライターさんとかから
「日本国民は、恒久の平和を念願し〜」
なんて書いてある原稿があがってきたら即
「この文章もっと開いてください」
と注文しちゃうんです。

(この「日本国民〜」の文章は
 日本国憲法から引いたんですけどね。
 憲法の条文も開きたい!)

でも……それはそうなんですが、
開かないほうが、
ぎゅぎゅっと内容が詰め込めるんですよね。

詰まってるから、
読むほうは、解きほぐしながら
時間をかけて読まなきゃいけない。

理解しようと思ったら
真剣に文章と格闘しなきゃいけない。
そういうのも、
ある程度必要なのかなぁとも思ったりするんです。
優柔不断で、どっちつかずなぼくは……。

で、この『光と風と夢と・わが西遊記』。

ん〜っ、開いて欲しい。けど開いて欲しくない。


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2014年10月20日月曜日

『Another(上)』(綾辻行人)読みました。

不思議な夢を見ました。
先生と二人で酒を飲んでいる夢。

小学校から映画学校まで、
どの時代に習った先生なのかは不明で、
というより夢から覚めた直後に、

「これまで、あんな先生に教わったことないよね?」
「なぜ先生と呼んでいるかもわからない、
 だって初対面でしょ?」

と頭の中で自分に問いかけていたくらいです。

でも、その酒の席では、
先生が、ぼくの記憶の中にある出来事を
一緒に経験してきたみたいに話してくれる。

「そうですね、なつかしいですね」
なんて相づちを打ちながら、
ぼくも興に乗って、お酒もどんどん進む。

そうするうちに、
先生の髪の毛が変なことに気づくんです。
髪の毛というか、目というか。

向かって左の目に先生の前髪の先が触れ、
やがてその髪の先端が
目玉の表面をなぞるようにゆらゆら動くんです。

ワカメみたいに揺れたかと思うと、
ワイパーみたいに規則的な動きになったり。

「先生!髪の毛、目に入ってます!」
とぼくが言うと、先生は、
「ああ、これね、いいのいいの」と笑う。
そこで目が覚めちゃったんです。

で、この『Another(上)』。

この本を読んだから、そんな夢を見たんだと思います。
早く続きの下巻を読もうっと。
夢の続きも見られるかもしれないから。



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2014年10月14日火曜日

『山月記・李陵 他九篇』(中島敦)読みました。

30代の半ばくらいだと思います。
友だちがインドに行ってきたという話を聞きました。

それまでぼくがインドについて聞いていた噂では、

「インドに行くと
 圧倒的なカルチャーショックを受けて、
 もう日本に帰ってくる気がなくなる」

「そのまま住み着いて、
 音信不通になっている人がたくさんいる」

っていう、なんだか怖いような、
でも覗いてみたいような、
とにかく不思議な魅力がある場所と
思っていたんです。

なので、帰国した友だちに、
「よく帰って来られたね。
 インドってすご過ぎて、そのままどっぷり
 はまって居着いちゃう人がいっぱいいる
 みたいじゃん。はまらなかったんだ」
と聞いたんです。

すると彼は、
「確かにガツンってくるとこもあるけど、
 年とって敏感じゃなくなってるから、素通り。
 もう少し若い時に行っていたら、
 違ってたかもしれないけど」
と言いました。

そうか、そうなんだよな。
色々経験しちゃうと、
ちょっとやそっとのことじゃ
刺激を受けなくなっちゃうんだよな。

で、この『山月記・李陵 他九篇』。

ガツンとくるところもあったけど、素通りでした。
もうちょい若い時に読んでたらなぁ。

(中島敦さんの作品は、
 高校の現国の教科書に載っていた
 『山月記』しか読んだことありませんでした。
 そのときは授業だったので、
 どんなに魂が震えるような作品でも
 何の影響も受けられませんでした。
 だって授業だったから)


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2014年10月10日金曜日

『未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップ』(リンダ・グラットン)読みました。

「先生は結果を見て、非道なことと判断されています。
 でも、それに携わってる人たちって、
 決して悪意を持ってるわけじゃない。
 他人の役に立つ正しいことだと信じて
 やっている人が大半です」

「そんな人が一番やっかいですね。
 とはいっても、私が知る限り、
 利益追求や自己保身が目的で
 やっている人のほうが多いですよ」

って感じの対談記事をどっかで読みました。
例によって、この部分しか覚えてなくて、
誰と誰が何について話した内容かも忘れてるんですが…。
(立花隆さんが、医薬品メーカーを批判する識者に
 インタビューした記事だったかな、たぶん)

そうなんです。
ぼくも、メーカーとか大きな組織とかが、
ガリガリ亡者的に何かをしてるってことを聞くと、

「違うよ、きっと。
 やってる人がど真ん中で考えていることは、
 世のため人のためってことだよ」
と思っちゃうんです。

甘いかな。
でも、いろんな会社に取材してきたけれど、
本当のガリガリさんには会ったことがないんです。
(経験不足なだけかもしれないけど)

ってことで、
何かと批判の的になるいわゆる「大企業」って、
そんなに捨てたモンじゃない、
と思ってるんですね、ぼくは。

で、この『未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップ』。

捨てたモンじゃないことを再認識しました。


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2014年10月1日水曜日

『ビッグ・ドライバー』(スティーヴン・キング)読みました。


昔会社勤めしていたときに、
「すごいエリート」って噂の人が
途中入社で入ってきました。

細かいことにも自分の意見を出し、
入社早々それなりに成績も上げて
上司にも認められていました。

その人がある日
「ここだけの話、会社で不満に思っていることを
 聞かせてくれない?」
と二人だけになったのを見計らったように、
ぼくに話しかけてきたんです。

あれもこれもそれもと、いろんな不満はあったけど、
その人に言うことじゃないと思ったぼくは
「特にありません」と答えました。

でも、その人は、
「ほら、上司が厳しすぎるとか、
 社内の雰囲気が悪いとか、あるじゃない。
 ぼくはそれを変えていきたくて、
 みんなに聞いているんだ。
 B君なんか率直に社長の悪口言ってたよ」
と粘ります。

それでもぼくは
「いやー特にないっすけどね」とか言って
頭をぽりぽりし、少し足りない人を演じていました。

その後しばらくたって、
ぼくは上司から呼ばれ
「お前、そんなにこの会社が不満なら、
 他を探したほうがいい」
みたいな勧告をそれとなくされちゃったんです。

「はっ?」でした。

「えっ、なんのこっちゃ?」
と思って、よくよく聞いてみると、
例のあの途中入社のエリートが、
あることないこと上司に報告してたようなんです。

ほんで、みんなにも聞いてみると、
彼のターゲットはぼくだけじゃなく、
自分より年下の社員全員だってことがわかりました。
(そんなに大きな会社じゃないので、
 全員といっても、人数は二桁にもなりません)

社長の悪口を言ったB君はそのままを告げ口され、
ぼくのようなとぼけた答えをしたヤツは、
勝手な話をでっち上げて。

結局、
彼が何を企んでいたのかわかりませんが、
次第に誰も相手をしなくなって、話も聞かなくなり、
やがて、また転職していきました。

なんだかわからないけど、そんな人っているんですね。

で、この『ビッグ・ドライバー』。

もっと巧妙だったり、
もっと悪辣だったりする「そんな人」っていて、
その周りには、たくさんのまともな人がいる。

そうですよね、そうなんですよね、キングさん。


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2014年9月29日月曜日

『深夜特急3 インド・ネパール』(沢木耕太郎)読みました。

靴ひもが切れたので、買いに行きました。
売り場のディスプレイには、オーソドックスな白から、
色のついたもの、きらきら柄のオシャレなヤツなど
結構な種類がありました。

その中に、
「結ばない靴ひも」ってのがあったんです。

ここから先は遊泳禁止ですってときにでてくる
「ブイが等間隔でつながっているロープ」
みたいな感じのヤツを、
スモールライトで靴ひも大に小さくした感じ。

そのブイの部分がひもを通す靴の穴にひっかかって、
結ばないでもゆるまないように
できているらしいんです。

へぇーと眺めていたら
店員さんが使用時の写真を見せてくれ
「こうやって使うんです」と説明してくれました。

「ふーん、確かに手間は省けるかな…」
と思ったところで、
ぼくのうちなる声が聞こえてきました
「靴ひもぐらい、結ぼうよ」
……なので、ぼくは普通の靴ひもを買いました。

で、この『深夜特急3 インド・ネパール』。

旅先で野宿してベッドを使わなかったとき、
インドの料理を現地の人と同じように
スプーンを使わず手で食べたとき、
著者の沢木さんは、
「だんだん道具から解放されていく」
と書いていました。

ふー、危なかった。
ぼくも結ばない靴ひもみたいな便利な道具に、
またひとつ縛られるところでした。
あの「うちなる声」はこの本を読んだから、
聞こえてきたんだと思います。


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2014年9月26日金曜日

『しんがり 山一證券 最後の12人』(清武英利)読みました。

知り合いの編集者がぼやいていたセリフを、
ふと思い出しました。

「なんで俺が、
 〈少しでも読者の方の
  お役に立てれば幸甚です。著者〉
 とかって書かなきゃならないんだよ!」

ぼくもその編集者と同じようなことを
何度か経験しています。

著者とかライターとか原稿を書く役目の人が、
仕事を放り出して逃げちゃい、
捕まらなくなっちゃうんです。

「もう八割がたできているのに、なんで!?」
と叫んじゃう場面です。

スケジュールは押せ押せだから、
どうにもしようがなくて、
編集者が残りの原稿を仕上げる。

泣く泣く書き上げて、やったできたと思ったら、
「あとがき」が残ってる。

なんだよ、くそーと思いながら、
〈お役に立てれば幸甚です。著者〉と打ち込む。
「俺、著者かよ!」
ぼやきたくなるのもわかります。

さて、こんなことは
本当にうんざりしてやり切れないって
気がするんだけども、
その修羅場を乗り越える経験ができるのは、
実は幸せなのかもしれないな、
なんてあとから思ったりします。

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」
というけれど、若くなくても苦労をするのは、
もしかしたら良い事なのかもしれないって。

で、この『しんがり 山一證券 最後の12人』。

いやー、いいっすよ、この本。泣けます。
著者やライターが逃げちゃうくらい
屁でもないわ! って思えます。



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2014年9月22日月曜日

『グリーン・マイル(下)』(スティーヴン・キング)読みました。

前にも書いた気がしますが、
ぼくには本を買うときのジンクスがあります。

上下巻とか全5巻とかの分冊になっている本は、
1冊読み終わってから次の巻を買うこと。

そういう買い方をしないと、
どういうわけか、
ぼく的にはハズレな作品にぶつかっちゃうんです。

上下巻に分かれている本で、
上巻を途中まで読み「こりゃオモロイ!」って思い、
すぐに続きを読めるようにと、
上巻を読み終わっていないのに下巻を買って
本棚に置いておくのもダメ。

積んでおいた下巻を読み始めると、
あんなに面白かった上巻の雰囲気は
どっかに吹き飛んでいっちゃうんです、なぜだか。

でも、そのジンクスを忘れて、
ついつい続きを先に買っちゃうものもあります。
いや、ジンクスのことはわかっていながら、
こればっかりは違うだろうと、
たかをくくって先買いしちゃうのもあります。

最近はつい1カ月ほど前に読んだ『親鸞』がそうでした。
これはもろ下巻失速のどんぴしゃジンクスパターン。
何度やってもこりないようです。

で、この『グリーン・マイル(下)』。

上下巻の本でした。
上巻があまりにもオモロくて、
ジンクス恐れず先買いしちゃったんです。
でも……
おめでとう! ぼく!
見事、先買いジンクスが破れたんです!
いいわー、この本。もう一回読も。
あ、その前に、ほかのキング作品も読もっと。


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2014年9月16日火曜日

『グリーン・マイル(上)』(スティーヴン・キング)読みました。

出産の予定がある作家さんが、
先輩からアドバイスを受けてる文章が載ってた
対談記事だかなんだかを読んだ覚えがあります。

例によって誰と誰の話なのか、
また対談の主要テーマがなんかのかとか、
そんなもろもろは、忘れちゃってるんですが、
1つだけ印象に残ってるセリフがあります。

「自分の子どもが生まれると、
 面白い作品が書けなくなっちゃうから、
 書くなら今のうちだよ」

今までは、主人公が過酷な運命を
何とか乗り越えていく物語だとか、
目を背けたくなるような残酷なシーンだとかを
さんざん書いてきたのに、
子どもができると、
それができなくなっちゃうんだとか。

つくっていくストーリーの中に、
自分の子どもを重ね合わせちゃうんでしょうね。

やっぱ、自分の子どもは可愛いし、
親ってのは、子どもが平穏無事な人生を歩むのを
何をおいても望むものだから。

創作はつくりモノで、実際の生活とは違うんだけれど、
そんなことわかっていながら、
どこかでブレーキがかかっちゃうんでしょう、きっと。

でもしかし、
ブレーキを無視して、ずっとアクセル全開で
いられる作家さんもいるんですよね、これが。

で、この『グリーン・マイル(上)』。

アクセル全開でした。


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