2014年9月29日月曜日

『深夜特急3 インド・ネパール』(沢木耕太郎)読みました。

靴ひもが切れたので、買いに行きました。
売り場のディスプレイには、オーソドックスな白から、
色のついたもの、きらきら柄のオシャレなヤツなど
結構な種類がありました。

その中に、
「結ばない靴ひも」ってのがあったんです。

ここから先は遊泳禁止ですってときにでてくる
「ブイが等間隔でつながっているロープ」
みたいな感じのヤツを、
スモールライトで靴ひも大に小さくした感じ。

そのブイの部分がひもを通す靴の穴にひっかかって、
結ばないでもゆるまないように
できているらしいんです。

へぇーと眺めていたら
店員さんが使用時の写真を見せてくれ
「こうやって使うんです」と説明してくれました。

「ふーん、確かに手間は省けるかな…」
と思ったところで、
ぼくのうちなる声が聞こえてきました
「靴ひもぐらい、結ぼうよ」
……なので、ぼくは普通の靴ひもを買いました。

で、この『深夜特急3 インド・ネパール』。

旅先で野宿してベッドを使わなかったとき、
インドの料理を現地の人と同じように
スプーンを使わず手で食べたとき、
著者の沢木さんは、
「だんだん道具から解放されていく」
と書いていました。

ふー、危なかった。
ぼくも結ばない靴ひもみたいな便利な道具に、
またひとつ縛られるところでした。
あの「うちなる声」はこの本を読んだから、
聞こえてきたんだと思います。


深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社
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