2014年9月3日水曜日

『ひとなつの。』(大島真寿美ほか)

ベビーカーに子どもを乗せた若いお母さんに
「可愛いお子さんですね。おいくつですか?」
とたずねました。

お母さんは
自分の子が可愛いと言われて嬉しくなったのか、
「今は1歳で、もうすぐ2歳になります」
と笑顔で答えてくれました。

ぼくは、子どもの前にしゃがみこんでのぞき込み、
「ホントに可愛いね、そう、ひとつなの」
と人差し指を立てて見せると、
その子もぼくの仕草を真似て
小さな指を1本立てました。

まだ言葉はあぶあぶって感じでしたが、
そのときもごもごと動かしていた口は、
きっと「そうだよ! ひとつなの!」
って言いたかったのでしょう。

で、この『ひとつなの。』
ちゃうよ『ひとなつの。』

ぼくは、
読み終えてこの感想を書く直前までずっと
「一つなの」と読み間違えていました。

題名の意味がわからず、
じっくり文字を眺めたら「ひと夏の」じゃありませんか。
うん、それならわかる。
だって1歳の子どもの話なんか出てこない夏の話だったから。

5つの物語。
中でも『フィルムの外』が面白かったです。


ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語 (角川文庫)
森見 登美彦 瀧羽 麻子 大島 真寿美 藤谷 治 椰月 美智子
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