かのベストセラー作家スティーブン・キングさんが、
印刷前の校正紙(ゲラ)について、
「ゲラでは修正を入れるけれど、
修正でいいものに仕上げようと思っても、
最初に書いた原稿にかなうはずはない」
みたいなこと言ってました。たしか。
だだだーッと書いた最初の原稿が
一番勢いがあり、力もある。
それができたあとで、
いくら手を加えようと思っても、
生み出したときの力には負けちゃうって意味です。
なにかに憑かれたように書き進めた物語は、
あとから面白くしようと小手先の修正を加えても、
たいした効果はない。
このシーンとあのシーンを入れ換えれば、
読者はもっと驚くかなとか、
ここに象徴的な背景描写を入れちゃおうかなとか、
そんな打算は、ないほうがいいってことなんでしょうね。
で、この『バスティーユの陥落 小説フランス革命3』。
相変わらず、面白かったです。
この3巻目で、ぼくがとくに面白いと思ったのは
打算なんかなにもなく、
勢いだけで革命を進めちゃうおばさんたち。
そこが面白いと感じさせるように
物語をつなげてくれた作者に感謝です!
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佐藤 賢一
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