2016年10月17日月曜日

『残侠 天切り松 闇がたり2』(浅田次郎)読みました。


自宅の居間で
つけっぱなしになっていたテレビを、
見るとはなしに見ていたら、

ユニークなパンを自作する
素人ママさんが出演していました。

なんでも、
まだ幼い自分の子どもが描いた絵
(ゆがんだ丸とよれよれの線だけで
 構成された人のような
 幼稚園に貼られているのを
 よく見かけるようなシュールな作品)
を、そのままパンの模様に
再現するらしいんです。

オーブンから焼き上がったパンを取り出し、
それを切ってみると、
切り口にシュール絵画が出現します。

細長いヤツをとんとんとんと切っていくと、
どの切り口からも、
笑顔の坊やが現れる金太郎飴
みたいな感じです。

レポーターが
「自分の絵がパンから出てくるなんて、
 お子さん、喜んだでしょうね?」
と質問すると、

パンづくりママさんは
「はい。
 最初は飛び回って嬉しがってくれました。
 でも人間って慣れるとダメですね。
 何度もやっているうちに、
 反応が薄くなっちゃって」

うーん、そうなんですよね、
いいものでも、慣れちゃうとね。

で、この『残侠 天切り松闇がたり(2)』。

天切り松という主人公が、
自分の過去の経験を語っていく形式の
連作短編集の2巻目。
いいお話で面白いんです。

ただ、1巻から勢い込んで
読み続けちゃったもんだから
…これも「慣れ」っていうんでしょうかね。

3巻目は少し間を空けて読も。





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