2023年1月20日金曜日

『果てしなき流れの果に』(小松左京)読みました。


何を覚えていて、どれを忘れるのか
不思議に思うことがたびたびあります。

もともと貧弱な記憶力しか持っておらず、
小学校のとき掛け算の九九が
どうしても頭の中に入ってくれずに、
ぼく一人だけ何日も放課後に残されて、
担任の先生と1対1で
「言ってごらん」
「いんいちがいち、いんにが…」
とやってました。

もう半世紀も前のことなのに、
そのとき先生がショートピースを
吸いながら怖い顔していたのを覚えています。

ほら、不思議でしょ。

「覚えられなかった」
という出来事を覚えている。

ちなみに、大昔なので
タバコはあらゆるところで許されてました。
灰皿持参で教室に来る先生はざらにいたんです。

そうそう小学校といえば、
厚紙に人の絵なんかを描いて切り抜き、
それを割り箸の先にセロテープでくっつけて、
ぺらぺら人形をつくり、
それで人形劇をやったのも覚えてます。

自分の担当した役もしっかり頭に浮かびます。
日本の総理大臣でした。
さらにそのときのセリフも言えるんです。

「私は我が日本国の最高責任者として、
 今、我々が未曾有の危機に直面していることを
 お伝えしなければなりません」

小学生のぼくにきちんと意味が
理解できていたかどうかはわかりません。
それより、こんな難しいセリフを覚えられるなら、
もっとすんなりと九九を覚えなさいよ、ぼく。

で、この『果てしなき流れの果に』。

小松左京さんの作品です。
ぼくが小学生で暗記した総理大臣のセリフは、
同じ小松左京さんの『日本沈没』でした。
作者つながりということで。




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