2024年4月23日火曜日

『剣客商売七 隠れ蓑』(池波正太郎)読みました。


自主映画をつくっていた頃だったか、
学校で脚本の書き方を習っていた頃だったか、
互いのつくってきた作品を評価し合う場がありました。

そのとき、がぼくの書いてきたストーリーに対して
誰かが「これは御都合主義だよ」と言いました。

事件の真相がつかめずムシャクシャして
思わず道端の小石を蹴ったら、
通りすがりのおじいさんに当たってしまい、
どうもすみませんと介抱しているうち、
その老人が事件を目撃していたことがわかり、
めでたく解決につながる、

みたいな話だから
その誰かの指摘はど真ん中の正論なんですが、
当時のぼくは(というか少し前までのぼくも)
彼の言った「御都合主義」の意味がよくわからず、

なんか難しい言葉使って
ケムに巻こうとしているだけだろう

くらに思い、それほど気に留めなかったようです。
そんなことをなぜか今、思い出して、
そのなんちゃら主義とやらを辞書で引いてみると

「一定の方針や定見を持たず、
 その場その場の状況に合わせて行動する
 無節操なやり方をさげすんでいう語」

とあって、わかったようなわらんような
当時と同じ気持ちになり、

ま、ついでにとウィキペディアに行ったら、
もう1つ意味が載ってて

「(こそから転じて)ストーリーの進行に
 都合のよいように作られた強引もしくは安直な
 設定・展開のこと」

とありました。あ、なるほどね。

で、この『剣客商売七 隠れ蓑』。

その主義がチラつく箇所もあるように思えましたが、
それでも面白んだから、逆にすんごい。


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