2024年2月6日火曜日

『屍人荘の殺人』(今村昌弘)読みました。

    

犯人を追っている刑事が、
走っている車の前にいきなり飛び出し
警察手帳をかざして急停車させ、
何事かとびっくりしている
善良そうなおじさんを
引きずり下すようにして、
自分が運転席に乗り込み、
逃げている悪人を猛追跡
──みたいなシーンは
アクション物のドラマや映画にはよくあって、
ぽかんと口を開けた
車の持ち主であるおじさんが一人、
道端に取り残される。

たしか伊坂幸太郎さんがエッセイの中で、
おじさんのその後が気になって仕方ない
と書いてました。

なんの映画か忘れましたが、
やはり気の弱そうな小太りのおじさんが、
縦列駐車したいらしく、
でも空いているスペースは狭くてぎりぎりで、
自分の車がそこに入るかどうか不安らしく
一旦脇にとめて、歩幅かなんかで長さを図りつつ
「どうかな、入るかな」と頭を捻っているところに、

ドライブテクニック抜群の主人公が、
横道からドリフトで横滑りさせたまま
すっぽりとそのぎりぎり狭い駐車スペースに
スポーツカーを停車させるって場面もありました。

あれはジャッキー・チェンの映画だったかな。違うかな。

ぼくもそれ見たとき、
カーアクションがすごいと感心しながらも、
そのあと発生するだろう小太りのおじさんの
駐車問題を悩ましく感じたのでした。

で、この『屍人荘の殺人』。

最初に出てくる学生探偵に
上記2人のおじさん的命運が重なってしまいました。
そんでも!面白かったです。
今年最初の5つ星。

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