2012年8月6日月曜日

『火星年代記』(レイ・ブラッドベリ)読みました。


今はあまり見なくなったけど、
少し前までは、暴走族って結構よく見かけました。

そのときは、
ぼくの運転するクルマの4、5台前に、
ぶおんぶおん、ぱららぱららと爆音を響かせながら、
何台かの改造バイクが、
のらりくらり運転をしていたんです。
ぼくも含めてほかのクルマは、
びくびくして、その集団を追い抜けません。

そこに!
隣車線の後方から、
すすーっと滑るように黒塗りのベンツがやってきて、
ぼくのクルマの横を走りすぎました。
横目でちらっと見ると、
昔の任侠映画に出てきそうなコワモテの方が運転してました。
んで、そのベンツ、
ぱららぱららの爆音軍団を気にもせず、
スピードもそのままで、すすーっと行っちゃったんです。

ぱらら軍団の連中は、互いに何か声を掛け、
神妙にうなずき合っていました。
いやいや、ベンツさんの貫禄勝ちでした。

で、この『火星年代記』。まさに貫禄です。

先日、作者のレイ・ブラッドベリさんが
亡くなったと聞いて、ご愁傷様の意味を込めて
読んでみたんですが、やっぱいい。
これはほんと文学です。貫禄です。

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)
レイ ブラッドベリ
早川書房
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