今はあまり見なくなったけど、
少し前までは、暴走族って結構よく見かけました。
そのときは、
ぼくの運転するクルマの4、5台前に、
ぶおんぶおん、ぱららぱららと爆音を響かせながら、
何台かの改造バイクが、
のらりくらり運転をしていたんです。
ぼくも含めてほかのクルマは、
びくびくして、その集団を追い抜けません。
そこに!
隣車線の後方から、
すすーっと滑るように黒塗りのベンツがやってきて、
ぼくのクルマの横を走りすぎました。
横目でちらっと見ると、
昔の任侠映画に出てきそうなコワモテの方が運転してました。
んで、そのベンツ、
ぱららぱららの爆音軍団を気にもせず、
スピードもそのままで、すすーっと行っちゃったんです。
ぱらら軍団の連中は、互いに何か声を掛け、
神妙にうなずき合っていました。
いやいや、ベンツさんの貫禄勝ちでした。
で、この『火星年代記』。まさに貫禄です。
先日、作者のレイ・ブラッドベリさんが
亡くなったと聞いて、ご愁傷様の意味を込めて
読んでみたんですが、やっぱいい。
これはほんと文学です。貫禄です。