2017年2月8日水曜日

『共和政の樹立 小説フランス革命 12』(佐藤賢一)読みました。


読みやすい小説にするには
「視点を固定しなければいけない」
と誰かから聞き、

ぼくもそうだと、
色んな本を読んで実感しています。

「僕」とか「私」とかの一人称で
通して書かれているものなら、
ほかの人物の視点が
入り込む余地はないのですが、

「ジャイアンはそう思った」
「静香ちゃんが見入った」
なんて三人称でつづられるものは、
あっちこっちの情報が入り交じって、

とくに頭の回転がのろいぼくなどには、
ごちゃごちゃうぎゃーとなってしまう。

だから、
視点が変わるときには、
一行空きにしてもらったり、
小見出しで区切ったりしてもらわないと、
理解が追いつかなくなってしまいます。

感情移入するターゲットが
絞れなくなっちゃう。

とはいえ、
それがなかなか徹底できないことも、
自分でやってみるとよくわかります。

例えば、
世の中の大きな流れなんかには
まったく関係ない一個人の視点
(とりあえず、のび太としましょうか)
で書き進めているとき、

どうしても時代背景とか
社会情勢なんかを説明しなきゃならない
場面になったら、
どうすりゃいいのって。

のび太視点の
のび太が見る社会情勢なんて、
語らなきゃいけないことのうちの
爪のアカ程度しかないだろうし。

で、この『共和政の樹立 小説フランス革命12』。

視点、ぶれてないです。読みやすいです。
面白いです。

のび太視点の社会情勢の入れ方も、
「なるほど、そうすりゃいいんだ!」
と気づかされました。







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