2016年7月6日水曜日

『カメリ』(北野勇作)読みました。


チョコミント味の
アイスクリームを初めて食べたのは、
高校時代にアルバイトした
コンビニでした。

その頃のコンビニの
レジ横にはたいてい
サーティーワンみたいな
アイスクリームの
冷凍ショーケースがあって、

お客に
「ラムネーズン一つください」
などと言われると、

店員が、あの専用お玉みたいな器具で
コーンにすくって渡していたんです。
(たしかカップはなかった)

で、ぼくはバイトの店員。

お客じゃないので、
どの味のアイスも食べたことは
ありませんでした。

そのバイトが数カ月続き、
だんだん慣れてきた頃。

休憩時間に控え室で
マンガを読んでいるときでした。

店長が
「これ、食えよ」
とチョコミント味のアイスを
小さな紙コップに入れて
持ってきてくれたんです。

容器の交換のとき、
端にへばりついたのがもったいなくて、
こそぎおとして
一杯ぶんにしてくれたそうです。

どの味のアイスも
食べたことがなかったぼく。

バニラやコーヒー味は
なんとなく想像がついて
食べたいとは思ったんですが、

あの水色に黒のつぶつぶが入ったのは、
「一生食べなくてもいいかな」
と避けていたんです。

でも、
わざわざ店長が持ってきてくれたのに、
無下にするわけにもいかず。

恐る恐るプラスチックの
小さなスプーンですくってパクリ。

「あれ? これウマッ!!」

今までこんな味、
食べたことあったっけ。

いやいや初めてじゃん!

世の中に、こんなにヘンテコで
美味しいものがあったんだ!

で、この『カメリ』。

世の中に、こんなにヘンテコで
楽しい本があったんだ!








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