2019年10月3日木曜日

『グリフォンズ・ガーデン』(早瀬耕)読みました。


毎朝のランニング通勤で
ゴールにしているジムに到着したとき
「あれ? 昨日まで滝行直後の
 修行僧みたいに全身汗でびしょ濡れ
 だったのに、今日は顔しか汗かいてない」
と気づいたとき。
(夏から秋へ季節の変わり目を
 文学的に表現しようと思ったんです)

気の合う仲間たちとの飲み会で、
我を忘れてはしゃぎまくり、
馬鹿笑いしまくった次の朝、
たまたま家族はみんな出掛けていて
一人ベッドから起き上がり
寝ぼけた目をこすりながらトイレで用を足し、
水洗の水が流れ行くのを眺めているとき。
(喧噪の後にやってくる
 孤独感みたいなものを
 文学的に表現しようと思ったんです)

立体交差で環状7号線が上に被さり
アーケードみたいになっている
旧中山道のくぼみの所で、
高校に自転車で通うのに
いつも待合せしている友だちが、
その日はなぜか現れず、
「もうダメだ遅刻しちゃうから先に行こう」
とペダルに足をかけたとき。
(いつも元気な友だちに対する
 何かあったんじゃないかという心配と、
 あのヤローに、なんて文句を
 言ってやろうかという苛立ちを
 文学的に表現しようと思ったんです)

そんなこんなのとき、
胃がシクシクするような
物悲しい気分になります。

で、この『グリフォンズ・ガーデン』。

もういい大人になってしまったからなのか、
最近あまり感じなくなった
シクシクの物悲しさを思い出させてくれました。





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