ちょうど一年ほど前、同窓会のお手伝いで、
プロジェクターから流すスライドショーをつくりました。
当日の現場では、
パソコンの前でキーボード操作。
タイミングに合わせて絵が出てくるように、
ぽんぽんと矢印キーを押していく役をこなしました。
その会が始まる前のことです。
みんな準備でいそいそ走り回っている中、
ぼくは、パソコン画面と格闘していました。
画面をいったん止めたいときに、
マウスで一時停止用のボタンをクリックするのではなく、
キーボード操作でできないものか、試していたんです。
マウスでやれば、すんなりできるのですが、
「キーボードから手を離さないほうが楽だよ」
との幻想が頭をよぎってしまったんです。
本番が始まる直前なのに……。
ちなみにこのパソコン(ノート型)は、
友だちが持ってきてくれたもので、
ぼくは初めて使う機種でした。
不慣れなマシンを
使っていたってこともあったのでしょう、
その格闘中に、
なんと、
大事なスライドが一枚消えちゃったんです。
「ぎょへぇ〜」となって、
急いで復旧作業(データの入れ直し)にかかり、
消えたスライドはなんとか復活できました。
ちょうどそのとき、
パソコンの持ち主(イノさんという友だち)が、
たまたま通りかかったんです。
「どう?」と何気なく声を掛けてくれたイノさんに、
ぼくは消えたスライド事件の顛末を話ました。
すると彼は、超あきれ顔をして
「もう、お前、余計なコトするな」
と一喝し、向こうに行ってしまいました。
で、この『沈黙のフライバイ』。
失敗することなんか頭になく、
「これやったら楽になるかも」
「こうしたら面白いかも」
ってだけ考えて、走っちゃう人たちが物語に出てきます。
いいです。そういう人たち。
あとで「余計なコトするな」って叱られても、
そういう人たち、万歳!
(イノさんみたいに叱ってくれる人も必要ですが…)
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