正義の味方が悪者を倒す勧善懲悪の物語は、
それなりに安心できて楽しめます。
(もちろん作者の技量によりますが)
でも、現実の世の中では、
完全な正義も、絶対の悪も、
はっきり決めつけるのは難しい。
そんな現実を物語に反映させるとどうなるでしょう。
対立する2者が、どっちも正義の味方とか。
読んでいる人は、どちらにも感情移入できちゃう。
そんな物語だと、それはそれで、
良い悪いがはっきりしている勧善懲悪のお話より、
ぐんと深く、面白くなるんじゃないかなって思います。
で、この『東の海神 西の滄海 十二国記』。
さすがです。
今、十二国記シリーズにはまってますが、
ホントに、はまって良かったと思います。
だって、おもろいモン。
なんですが、ちょっと気になった点(以下ネタバレ注意)。
物語は、上に書いたように2者の対立で、
正義の味方と悪者的な構図になってます。
でも、前半は悪者が正義の味方みたいに描かれてます。
悪者が悪であることは徐々にわかってくる。
ぼくはコレ、最後まで正義の味方であってほしかった。
正義と正義の戦いのぐちゃぐちゃ感が
あったらなぁ……高望みしすぎかな。
東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)
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小野 不由美
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