2012年9月19日水曜日

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(伏見つかさ)読みました。


20代のころ、ぼくは映画学校の友だちと一緒に
8ミリ映画をよく撮ってました。
脚本も2人で書いていた。

夜中のファミレスに行って、
おかわりしてくれるコーヒーだけで
朝方まで原稿用紙に文字を埋めてました。

主人公はこんなキャラだから、
このセリフは言わないだろう。
いやいや、
それは脇役がわざと言わせたんだからいいんだよ。
でも、そのセリフはイヤだ。
じゃあ、脇役のキャラを変えよう。
それだと主人公はもっと、
ぶっ飛びキャラじゃないとダメだよ。
……などなど、かんかんがくがくしながら、
人物や背景の設定を考え、
1行1行書き進めていました。

そんときは、その友だちを「へそ曲がり!」と思いつつも、
脚本を仕上げるために、
なだめすかしたり、あえて反対の意見を言い、
その意見に反対させることで
自分の意見を採用させるよう仕向けたりして
姑息作戦の応酬をしてました。
それでも、
満足いくキャラができたときなんかは、
夜中のファミレスで、
2人同時に「ぅおーっ!!」
と雄叫びをあげちゃうほど、うれしかった。

で、この『僕の妹がこんなに可愛いわけがない』。

あとがきに、
編集者と、かんかんがくがくしながら
登場人物のキャラ設定などをしていったって
書いてありました。
きっとこの妹キャラができたときは「ぅおーっ!!」って
雄叫んでいたんじゃないかな。
雄叫びOK!! 
夜中のファミレスでも、会議室でも、
どんな場所での雄叫びも許せちゃう面白い本でした。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
伏見 つかさ
アスキーメディアワークス
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