2020年9月3日木曜日

『おくのほそ道(全)』(松尾芭蕉)読みました。


若かりし頃、
東京から北海道まで
クルマで旅行しました。

高速は使わずにほぼ一般道で、
地図とにらめっこしながらです。

スポーツタイプの乗用車なので
座席は狭く、そこにむりくり
5人がおしくらまんじゅう道中。

その途中で観光名所に
あちこち寄り道したんですが、
誰かが
「松島は日本三景って
 いわれてるから、きれいだぜ」
とのたまい、

風光明媚など解せるはずのない
むさい連中なのに、
「三景じゃあしかたねーな、
 サンキュー」
と天命を知るはずの歳を超えても
今なお口にしている
ダジャレとも呼べないセリフを
それぞれ吐きながら、
三景の一つに向かいました。

音量のつまみを
あと5回転くらい絞っても
十分聴こえるボリュームで
『翼の折れたエンジェル』
が流れる車内。

地図を見ていたナビ役が、
中村あゆみの歌声に負けじの大声で
「もう、ここらへんだぞ、
 いや通り過ぎちゃったかも」
とみんなに知らせました。

えっ、と窓外をキョロキョロして、
「ああ、たぶんあれだろうな」
とむくつけき5人は納得して、
海岸線をそのまま過ぎていきました。

「名物にうまいモノなし」
とはよくいうけれど、
風景も同じようなモノなのかね、
と思った若かりし頃でした。

で、この『おくのほそ道(全)』。

「松島や ああ松島や 松島や」は、
芭蕉さんの作品ではなかったんですね。





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