2019年12月3日火曜日

『ナポレオン(1)台頭篇』(佐藤賢一)読みました。


小説をつくるとき、
視点がぶれないようにするのが
大切とよく聞きます。

それまで描いていた人物の主観から、
ほかの人に切り替えるときには、
1行空けて、区切りをわかるようにする。

そうしてたくさんの視点から
物語をつくっていくと、
それぞれの登場人物から出てくる
ダシみたいなものが混ざり合って、
とっても美味しく深い作品に仕上がる
……みたいなことが、
どっかの小説作法のような本に
書いてあった気がします。

とはいえそれだと、
最初から最後まで
ずっと一人称で通している作品は、
視点複数の主観まぜこぜモノよりは、
濃厚な味わいがないことになる。

それでも、あえて一人称にして、
まぜモノに負けないくらいの
濃厚深奥でクールなお話しを
つくっちゃえる人がいる。
たしか、村上春樹さんなんかは、
ほとんど一人称だったような…。

で、この『ナポレオン 1 台頭篇』。

一人称ではありません。
でも、視点はほぼ主人公一人。
それでもここまで引っ張れるんだな。
続くあと2巻、引っ張られます。






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