2019年4月4日木曜日

『私が殺した少女』(原尞)読みました。


去年、
十何年ぶりにシリーズ新作が出て、
すぐ読んで、
「わー、やっぱ面白い」って思い、
過去の作品を読み返そうと
デビュー作に目を通したのが、
ひと月ほど前でした。

そして2つ目の読み返し本が、
この『私が殺した少女』です。

ネットによると、
刊行されたのはもう30年前になる。

だって作中の世の中では、
携帯電話が登場しないのもちろん、
公衆電話も主流は
10円玉専用なんですから。

主人公の探偵・沢崎が、
テレフォンカードで利用する
公衆電話を見て、
「そんなもん使えるか」みたいな感じで
新しい社会の流れに嫌悪感を抱いてる。

ハードボイルドというか、
頑固というか、キャラが
「ボギー、あんたの時代は良かった」
なんです。

で、その部分読んだとき
「あ、そういえば、新作でも同じだ」
と思い出しました。

30年たった今、
主人公の探偵は携帯電話を持っていない。
物語の中で、ホームレスの人が
携帯を使っているのを見て、
「私は、彼らより社会に適合していない」
みたいに自嘲してました。

あと30年たって、
もし新作が出たら(無理かな…)、
探偵は何を持たないでいるのか、
知りたいな。




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