2019年3月28日木曜日

『理科系の作文技術』(木下是雄)読みました。


「牛丼は松屋よりも
 吉野家のほうがおいしいと思う」
と高校時代から意見が一致している
友だちがおりまして、

そのコンセンサス具合は
五十歳を過ぎた今でも
変わらないのですが、

数年前、
やはり牛丼に関する意見交換の席で、
その友だちと
少しばかり主張の食い違ったことが
ありました。

そのころぼくは、
吉野家の牛丼の味が
落ちたと感じていたんです。
(今はそんなふうに
 感じなくなったところをみると、
 たぶん自分の体調的なものとか
 精神的なものとか、つまりは
 個人的一時的、味覚の変調が
 原因だったんだと思います)

「昔より、まずくなった気がする」
というぼくの発言に、彼は、

「そんなことない、
 牛丼一筋八十年の味は、
 昔も今も変わらない。
 豚丼をやったり、
 定食を加えたりといった
 メニューが一筋じゃなくなっただけだ」
と反論しました。

さらに、
「そう感じるのは、
 お前の生活が飽食になって、
 その舌も身体も
 ぶよぶよになっているからに相違ない」と。

その時代がかった物言いに、
ぼくはなぜか
素直に納得してしまったのでした。

で、この『理科系の作文技術』。

5回か6回目の再読。
これまで「美味しい」と思っていたのに、
今回はなぜか味が落ちたように思えてきて、
……たぶん自分のせい。





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