2017年9月26日火曜日

『中原の虹(4)』(浅田次郎)読みました。


社会人になってからの大半の時間を、
パソコン前にして
ペコペコ原稿打つことに
費やしてきたぼくなので、

波瀾万丈の人生を
歩んできた人に比べれば、
人物を判断する能力とか経験は
ごく貧弱だと思います。

そんな薄っぺらな対人交流歴の中で、
なんとなく感じていることがあります。

それは
〈話に聞く人物はデカい〉ってこと。

噂話で聞く人物像は、
とてつもなく器の大きな人になる。
でも、実際にその人に会ってみると、
そんなに大したことはない。

話す人は、
自分のしゃべる内容に
興味を持たせたいと思って、
盛っちゃう部分があるんでしょうね。

「あいつ、すげーんだよ。
 いいヤツなんだ、ホントすげーんだから。
 話してみりゃわかるって」
みたいに「すげー」ばかりを連発します。

そうするとぼくの頭の中でも
「すげー」がかけ合わさって、
指数関数的に膨れあがっていく。

人格面でほめていれば
「ガンジーよりすげーかも」

頭の良さなら
「アインシュタインよりスゲー?」

ビジネスセンスなら
「すげー度はジョブズ越え?」

さて、もしそうだとすると、
小説で人物を描写するときも、
本人の行動を直接示すより、
ほかの登場人物に語らせるほうが
「すごさ」は増すのかな…。

で、この『中原の虹(4)』。

すげーです。
ほかの登場人物での語らせ方。
しびれます。




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