2017年6月14日水曜日

『サイコパス』(中野信子)読みました。


昔よく一緒に仕事をしていた
編集者さんが

「真面目に心を込めてつくった本と、
 やっつけ仕事みたいにして
 仕上げたものでは、
 読者の〈反応〉がまったく違うんですよ。
 どちらも
 文章のわかりやすさなんかは同じで、
 サラッと読んだら、
 優劣の判断なんかできないと思うものもです。
 どうやら、一般の読者たちって、
 がんばってつくった本の香り、
 とか、だらけて打ち込んだ文字の臭い、
 みたいなものを
 嗅ぎ分けられるみたいなんです」

てなことを言っていました。

この話に「なるほどなあ」と納得しすぎて、
その編集者さんが言った〈反応〉が
何を指すのか確認し忘れたんですが、

たぶん、読者アンケートの回答だとか、
問い合わせの内容だとか、
もしくはこの感想文もどきのような
勝手に発表された書評だとかを
ひっくるめたものが
〈反応〉なんだと思います。

でも、
その指標の中には売上は入らない
ってことだけは言ってました。

たくさん売れた本でも
〈反応〉はイマイチだったり、

今までにないほど
素晴らしい〈反応〉なのに
まったく売れなかったり。

その編集者さんの経験によると、
「良い本=売れる」
わけではないようです。
かといって、
ヒットするのは「つまらない本」
ではないですよ、もちろん。

売れるか売れないか
それはつくってる側には
わからんのですわ、いつも。

で、この『サイコパス』。

この本、
売れ行きのランキングなんかをみると、
結構いい線いっているらしいです。
あの編集者さんがいう〈反応〉が気になります。




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************