2017年2月22日水曜日

『水木しげるの不思議旅行』(水木しげる)読みました。


今はとんとご無沙汰してしまっている
とある出版社の編集担当の方が
こんなことを言っていました。

「どんな本を読んでいても、
 誤植を一つ見つけただけで、
〈あ、これ面白くない〉って
 感じてしまうんです。
 こりゃもう、
 職業病みたいなモンですね」

編集担当さんは、
ぼくがつくる本の内容を、
厳しい目でチェックしてくれる人です。

何気ない雑談の中で
交わした言葉なんですが、

ぼくの耳には
〈お前のつくる本の中に
 一つでも誤植があったら、
 ただじゃおかないぞ〉
って聞こえてきました。

この前、『誤植読本』って本を読み、
どんなに文豪っていわれる人でも
誤植を見逃すこともあり、
それは一種の文化みたいなモノだと
語られていたので、
少しホッとして気持ちの緩んだときに、

その編集担当さんの言葉が頭をよぎり、
〈そうだ、いかんぞ、自分!〉
と戒めたのでした。

で、この『水木しげるの不思議旅行』。

誤植、いくつか発見しました。
でも、この本、それが文化になってます。
もはや誤植ではなく、
そっちのほうが正しく思えちゃう。
これって、水木さんの人柄が
なせる技なんだろうな。

いいな、誤植があっても愛される人って。


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