2016年6月6日月曜日

『親鸞 完結篇(下)』(五木寛之)読みました。


昔、学園祭かなにかで
お芝居を観る機会がありました。

内容はすっかり
忘れてしまったんですが、
面白かったってことだけは
ぼんやりながらも覚えています。

んで、
それよりも記憶に残っているのは、
芝居が終わったあとの幕です。

「学生のくせに、結構やるじゃん。
 よかった、よかった」

なんて余韻に浸りながら
下りてくる幕を眺めてると、

途中でがくんと止まっちゃったんです。

あと1メートルくらいで閉まりきるのに。

すると
観客の拍手の音にまじって、
舞台裏のほうから

「おい、なんか引っかかっている」
「じゃあ、もういいよそのままにしとけ」

という会話が聞こえてきました。

あらら。

そんな裏方さんの
話し声が聞こえてこなければ、

中途半端な位置で止まっている幕も
気にならなかったかもしれません。

でも聞いちゃったら、
気になって気になって。
カーテンコールの役者さんの笑顔も、
なぜかギクシャクして見える。

うーん、幕引きって重要なんですね。

で、この『親鸞 完結編(下)』。

最後の幕引き(終わり方)は
好きでした。

ただ、
途中に挟み込まれた
エピソードの個々の幕は
途中に何か
引っかかっているような気がして、
いまだムズムズ感が残っています。



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