2016年6月15日水曜日

『風の歌を聴け』(村上春樹)読みました。



なぜか時々ふっと思い出す歌に、
さだまさしさんの
『主人公』って曲があります。

その歌詞の途中、

「時をさかのぼるチケットがあれば
 欲しくなるときがある。
 あそこの別れ道で
 選びなおせるならって」

というフレーズが出てくるんです。

今までは
「ふむふむ、そりゃまあ、
 あるかもしれないな」
と肯定的に受け止めていました。

でも最近、違う感想を
持つようになってきたんです。

ぼくの場合、
チケットをゲットしても無駄かなって。

理由は記憶力のなさです。

人生の別れ道で右を選んで、
20年ほど生きたとしましょうか。

20年いろんなことがあって、
「異次元チケット」をもらい、
時間旅行して、別れ道にもう一度立つ。

そこで、さださんの歌では
「選びなおす」んですよね、
右だったのを左に。

きっと、
右の人生がキツキツだったからでしょう。

でもね。
もし、それがぼくだったら、
キツキツなことも
忘れちゃってると思うんです。

ほんと最近
忘れっぽくなってるもので…。

20年前に
左右のどちらを選んだのかも忘れて、

結局「選びなおす」のでなく
初めて「選ぶ」んじゃないかと
思うんです。
このへなちょこ脳みそは。

で、この『風の歌を聴け』。

それこそ20年以上前、
メシ食うのも忘れて貪り読んだ本。
そのあと再読もしているハズなんです。

が、しかし!
1行たりとも覚えていませんでした。
すごく新鮮でした。




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