2016年3月14日月曜日

『宮本武蔵(七)』(吉川英治)読みました。


少し前に読んだ
『目の見ない人は世界をどう見ているのか』
って本に、

「透明」のことが書いてありました。

向こうが透けて見える
ガラスとかアクリル板とかを、
目が見える人は「透明」だと認識する。

でも、目の見えない人にとっては、
それが真っ黒の
アクリル板であっても同じ。

じゃあ、
目の見えない人は
「透明」という感覚を
認識できないのかというと、

そうじゃない。

比喩的な理解に
なるかもしれないけど、
「透けて見える」が何か、
わかってもらうよう説明はできる。

その説明を、
その本(『目の見えない人〜』)では
こんなふうにいっています。

自動車に乗ったとき、
身体は座席のシートにあり、
道路には触れていない。

でも、
走る震動によって
道路の状態がガタガタの砂利なのか、
平らなアスファルト舗装なのか、
感じられる。

自動車の車体が
透明になったかのように、
道路の状態を認識できる。

それが透明ということ。

ふーん、なるほどです。

で、この『宮本武蔵(七)』。

最終一歩手前の7巻を読み終えて
思ったのは、
「引っかかるモノが何もない…」
でした。

ぐいぐい引き込まれるわけでもなく、
かといって退屈もせず、
ススーと読み終わってる。

これって、もしかして
「透明」と同じかも
……なんてことを感じました。

とりあえず、
次の8巻で終わりらしいので、
次巻に期待。



宮本武蔵(七) (新潮文庫)
宮本武蔵(七) (新潮文庫)
posted with amazlet at 16.03.14
吉川 英治
新潮社 (2013-07-27)
売り上げランキング: 62,726




**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************