今はもう期限が過ぎて
対象外になったから、
言っちゃいます。
1、2年前、
ぼくは当選したことがあるんです。
宝くじじゃないですよ。
裁判員です。
裁判所だかなんだかが差出人の、
物々しい封筒に入ったお知らせが来て、
「1年間は候補になっているから、
心しておいてね」
みたいなことが書いてある。
(この期間は、自分が選ばれたことを
ネットなんかで公表しちゃダメ
とも書いてありました。
ぼくはその指示に従い、
「王様の耳はロバの耳」の主人公みたいに
必死に口をつぐみ、
我慢しきれずに井戸の中に向かって
叫ぼうとしましたが、
井戸がなかったので黙ってました)
でもそこには、
「候補になっただけで、
選ばれないこともある」
みたいなことも書いてある。
「なんだそうか」と思い、
そのまま放って置いたら、
しばらくして今度は
「○月○日に裁判があるから来てね」の
〈物々し封筒〉が届いたんです。
「来なかったら犯罪だから、捕まるよ」
みたいなことも書いてある。
それでも書類の中には
「どうしても来れない人」用の
返信書類みたいなのがあって、
すがる思いで、
「ぼくは小さな会社をやっていて、
何日もかかるような裁判に出ていると、
会社が立ちゆかなくなっちゃうんです」
という内容をしたためました。
この文面を司法の人が認めてくれたんでしょう。
それから何日かして、
「では、今回は勘弁してあげる」
って書面が届きました。
で、この『いつまでも若いと思うなよ』。
著者の橋本さんはきっと、
どんなに忙しくても裁判員の仕事を
(だけじゃなくどんな仕事も)
引き受けるんだろうなと思いました。
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら。
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