2015年10月15日木曜日

『鬼平犯科帳〈11〉』(池波正太郎)読みました。

パソコンの辞書をみたら
ことわざの「転石苔を生ぜず」に
2つの意味がのっていました。

(1)活発な活動を続けている者は、
   いつまでも古くならないことのたとえ。

(2) 一か所に落ちつかない者は
    大成しないことのたとえ。

(1)は良い事(2)は悪い事、
ってイメージになってる。

ぼくは長いこと(2)の意味しか知らず、
しかもそれに反発して、

「転がらないでじっと我慢して
 同じ事を続けなきゃ、
 生えてこないようなコケなら、
 そのなものいらない!」

なんて、
青臭いガキの戯れ言をほざいてました。

でも、
(1)はその戯れ言を肯定して
「転がれ! 同じ場所にいるな。同じ事繰り返すな」
って言ってる。

「へぇ〜、
 ぼくが思っていたような意味もあるんじゃん」

と辞書を見ながら
ふむふむしていたんですが、
しばらくすると、
へそ曲がりなぼくは、
またまた反抗したくなって、

「やっぱ継続は力なりでしょ。
 同じ事を続けるのも、やりがいあるんだから。
 そうして生えてきたコケには価値があるよ」

なんてぼやいてる。
ホントへそ曲がりです。

で、この『鬼平犯科帳(11)』。

11巻も続けているのに(まだ続きはあるけど)、
ますます面白くなってます。
どうやら「転石〜」の
(1)の意味が当てはまる。

このコケには価値がありまっせ。



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