2015年8月10日月曜日

『長いお別れ』(中島京子)読みました。

テレビのバラエティ番組かなにかで、
「どんな死に様でありたいか」みたいな質問を、
司会者がゲストの人たちにしていました。

周囲の人に迷惑を掛けないようにとか、
病院じゃなく自宅でとか、
仰向けにひっくり返るんじゃなく
前向きに倒れてとか、
いろいろ意見が出てました。

その中で、たしか落語家さんが、
こんなことを言っていたんです。

「ぼくは仕事柄、
 いつも人に笑われたいと思っている。
 だから人生のフィナーレである
 死んじゃうときにも、絶対笑われたい。
 10センチくらいの深さしかないドブに
 はまって溺れちゃうとかね」。

これ聞いたとき、ぼくは、
「その考え方、もらった!」と思いました。

人が死んじゃうのって、
何したって悲しいでしょ。

その死に方が、どんなに滑稽だって、
いなくなっちゃうのは一緒だし。

だから、反抗したいんです。

死因も笑えて、
いなくなっちゃうことも笑えるような
お話ってないかなって思うんです。

どうしょうもない悪いヤツが、
滑って転んで逝っちゃって、
みんなワハハッというんじゃないですよ。

死ぬことを純粋に笑える
……そんなお話ないかなって。

で、この『長いお別れ』。

ぼくが考えてる笑いに近いものがありました。
……これ、いいかも!
この作者の他の作品も読んでみよっと。



長いお別れ
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中島 京子
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