2015年7月27日月曜日

『雪と珊瑚と』(梨木香歩)読みました。

悪人が出てきて、
そいつが何か意地悪なことをする。
主人公はその奸計を乗り越えて、
傷つきながらも成長していく。

オーソドックスな物語の流れって
そんなところでしょうね。
シェイクスピアにしたって、
スターウォーズにしたって。

でも、これといった悪人が
登場しない物語もあります。

すぐにぴったりのたとえが
思い出せないんですが、しいてあげれば、
『ビッグデータ・コネクト』とか
『Gene Mappe』なんかで
最近はまった藤井太洋さんの作品なんか。

あ、そうそう、
去年読んだ本の中で一番良かった
『火星の人』(アンディ・ウィアー)も、
そうでした。そのものでしたわ。
出てくるのがみんなが良い人で、
そろって一つの事に打ち込んでいる。

もちろん正義の味方と悪者とが
はっきり区別されていて、
どんがらガッシャン、ドカーン!
って感じに、やっつけたり、
やっつけられたりのお話も好きなんですが、
ぼくが思わず泣いちゃうのは、
良い人ばっかの物語のほうなんです。

で、この『雪と珊瑚と』。

ちょっぴり意地悪な人や、
近くにいて欲しくない感じの人も出てきます。
でも、それは無視できる範囲。
ぼくには、思わず泣いちゃう範疇のお話でした。


雪と珊瑚と (角川文庫)
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