2015年6月9日火曜日

『太陽黒点』(山田風太郎)読みました。

物語の中で、
死んでいっちゃう人のことを書けば、
悲しい物語になるのは当然でしょう。

いなくなっちゃうんだから、
涙も出てきて、「感動の名作!」
とかって呼ばれるようにもなる。

例えば
不治の病で余命宣告された恋人の話とか、
カミカゼ特攻隊で出撃していく若者の話とか。

そんなときは別れの場面で、
逝っちゃう人と残される人が、
ぽろぽろと泣き崩れて抱き合ったり、
もしくは、じっと我慢して
ぷるぷると握りこぶしを振るわせたり、
なんてことが描かれる。

そんなのがまぁ定石ってところでしょうか。

でもね。
へそ曲がりなぼくは、そういうのって何か
「ずるいな」って思っちゃうんですよね。

「そりゃ泣くよ、そんこと書かれちゃったら。
 人の弱みにつけ込んでるじゃん」
なんて思っちゃう。

人の死を描いていても、
定石じゃないやり方、考えようよ、って。

で、この『太陽黒点』。

山田風太郎さんも、
ぼくのようなへそ曲がり的な考え方を
持っているのかなって思いました。

全然違うやり方に共感!



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