2015年6月5日金曜日

『ならずものがやってくる』(ジェニファー・イーガン)読みました。

登場人物が、
例えば女と男の二人だけとかの少ない人数で、
その二人が出てくる度に
違う名前になっているような物語って
どうだろう
……なんておバカなことを思いつきました。

ちょっとやってみましょうかね。

ジョージは、
二階の窓からもれてくる明かりに気づきました。

あれはマーサの部屋だ。
彼女の太陽のような輝きが、
僕を導いてくれたんだ。

ジェームスは、そのベランダを見つめながら、
「ああ、エリザベス!
 君は僕の理想の人だ、愛なんだ。
 僕の気持ち、わかってほしい」
と心の中で叫んでいます。

アブラハムの心の声が届いたのでしょうか。
ルイーザが、ふいにベランダに姿を現したのです。

彼女は月に願うように、
「ああ、アンドリュー、
 あなたはどうしてベンジャミンなの?
 私はあなたのものになりたい」
と言いました。

なんと、マーガレットも
ハリーのことを想っていたのです。

喜びで胸が一杯になったマーチンは、
声を限りに
「キャロライン!」
と呼び掛けました。

……やっぱ、単なるおバカでした。

で、この『ならずものがやってくる』。

数年前に読んだその年のベスト1を再読。
何度読んでも、やっぱいいです。
普通はやらない試みをしているのに、
ぼくのような
単なるおバカだけでは終わってないんですから。



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ジェニファー・イーガン Jennifer Egan
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