2015年6月18日木曜日

『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ)読みました。

「残りの分量がわからない」。
スマホなんかで読む電子書籍では、
よくそんな感想を聞きます。

どこまで読んだのかを
パーセンテージのバーとかで
表示する機能はあるけれど、

リアルな紙の本に比べたら、
そりゃあ一目瞭然ってワケにはいきません。

紙の本なら読み終えたページの厚さは、
めくる度に増えていくし、
これから読むぶんの紙は
どんどん少なくなっていく。

それが視覚だけじゃなくて、
手の感覚でわかるんですからね。

端をつまんで片側から片側へ
ぺろっと返すときの音も
微妙に違っているように思えるし。

「えーっ、もうあとこれだけ?
 もっと読んでいたいのに」

みたいな感覚も、
やっぱ紙の本じゃないと味わえない気がします。

少し前に読んだ『その女アレックス』なんて、
未読部分がまだまだぶ厚いのに
「えーそんなに話を進めていいの!?」
って驚かせてくれたし。

で、この『忘れられた巨人』。

電子書籍が出ているのかどうか知りませんが、
ぼくは紙の本で読みました。

なのに!
読んでいる途中で、
残りの分量を意識できなかったんです。

最後のページをめくって初めて
「あ、ここで終わりなんだ」って気づいた。
それだけのめり込めたということでしょうか。

この物語なら、
紙とスマホ、どちらで読んでもいいっすね。


忘れられた巨人
忘れられた巨人
posted with amazlet at 15.06.18
カズオ イシグロ Kazuo Ishiguro
早川書房
売り上げランキング: 171



**********************
当ブログ執筆担当・きくちが書いた本はこちら
**********************