2015年4月8日水曜日

『魔界転生(上)』(山田風太郎)読みました。

ふと、
「言葉って流行廃りがあるなぁ」と思い、
なぜか浮かんできたのが
「ふかし」って言い方でした。

虚勢を張るとか、ウソをつくとかの意味で、
昔よく使っていたような気がします。

でも、
いまはほとんど使わなくなっちゃいました。

「ふかし」の用例は次のような感じ。

場面は高校時代、
『スティング』って映画を観に行って
親しい仲間内で「面白かったねー」
などと話しているとき。

一部でフカシ君という
あだ名をつけられていたヤツが、
その会話になぜか急に割り込んでくる。

「ああ、あれに出てたのって、
 たしかロバートとポールだったろ。
 あれ、うちの親父の友だちの舎弟だから」

そんなひと言を発して、去って行く。
彼が消えたあと、
ぼくらは「アイツ、ふかし8割だよ」
「8割じゃねえ10割!」などと人物評をかわす。

この「ふかし」
お笑い芸人とかが流行らせた、
一種の流行語なのかと思い、

調べたら辞書にも
「口から出まかせに景気よく言う。吹聴する」
と載ってました。
江戸時代の古典から文例が
引かれていたりもしました。
昔から使われていた言葉がチラッと復活して、
また鳴りを潜めたようです。

で、この『魔界転生(上)』。

山田風太郎先生のふかし30割が
とんでもなく面白いです!


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