2015年1月9日金曜日

『ハガキ職人タカギ!』(風カオル)読みました。

前の『剣豪将軍〜』の感想文(もどき)は、
歴史の授業ネタだったから、
今度は国語の授業ネタにします。

担当の先生の顔も名前も、
どの学校の授業だったかも忘れちゃったんですが、
内容は小説についての講義でした。

もしかしたら学校の授業じゃなく、
なんかの講演会だったかも、です。
(忘れちゃったので、
 細かい部分はつくり入れます)。

講義は、小説の始まりの一文についての話でした。
「メロスは激怒した」とか
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」とか
「吾輩は猫である。名はまだ無い」とか。
名作をいろいろと出して、
冒頭の文章は素晴らしいと力説してたんです。

んで、
そういう感じののっけから
読者をうならせるような作家を、
俗に「デダシスト」と呼ぶんだと教えてくれました。
(そんな言葉を聞いたのは、
 後にも先にもこのときだけのような気がします)

続けて先生は、
「それとは逆に、
 小説の最後の一文が光る作家のことを
 キリストと呼ぶ」
と言ったんです。

言ってから、
静かに講義を聴いている生徒を見回し、
ふっと微笑んでちょっとうつむきました。

みんなは、
何のことかわからずシーンと傾聴モード。

先生も、微笑みの意味に触れることなく、
次の話題を進めていきました。

今思えば、あれはひょっとして
「イエス・キリスト」にかけた
親父ギャグだったのかな……。
それスルーしちゃったのかな。

で、この『ハガキ職人タカギ!』。

小説の最後のシーンがとても良かった!
キリストでした。



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