2014年10月14日火曜日

『山月記・李陵 他九篇』(中島敦)読みました。

30代の半ばくらいだと思います。
友だちがインドに行ってきたという話を聞きました。

それまでぼくがインドについて聞いていた噂では、

「インドに行くと
 圧倒的なカルチャーショックを受けて、
 もう日本に帰ってくる気がなくなる」

「そのまま住み着いて、
 音信不通になっている人がたくさんいる」

っていう、なんだか怖いような、
でも覗いてみたいような、
とにかく不思議な魅力がある場所と
思っていたんです。

なので、帰国した友だちに、
「よく帰って来られたね。
 インドってすご過ぎて、そのままどっぷり
 はまって居着いちゃう人がいっぱいいる
 みたいじゃん。はまらなかったんだ」
と聞いたんです。

すると彼は、
「確かにガツンってくるとこもあるけど、
 年とって敏感じゃなくなってるから、素通り。
 もう少し若い時に行っていたら、
 違ってたかもしれないけど」
と言いました。

そうか、そうなんだよな。
色々経験しちゃうと、
ちょっとやそっとのことじゃ
刺激を受けなくなっちゃうんだよな。

で、この『山月記・李陵 他九篇』。

ガツンとくるところもあったけど、素通りでした。
もうちょい若い時に読んでたらなぁ。

(中島敦さんの作品は、
 高校の現国の教科書に載っていた
 『山月記』しか読んだことありませんでした。
 そのときは授業だったので、
 どんなに魂が震えるような作品でも
 何の影響も受けられませんでした。
 だって授業だったから)


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中島 敦
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