2014年9月5日金曜日

『少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語』(一肇)読みました。

桃太郎のお話で、
きび団子につられて鬼ヶ島にやってきたキジとかが、
もし、なんかしらの事情
(例えば、敵の本拠地に行く前に、
 川で洗濯していたうら若き鬼の娘と
 運命の出会いをしてしまい
  「オラ、この娘を幸せにするだ」と、
 もらったきび団子を太郎に返し、
 グループから脱退したとか)
で鬼たちの島に残り、
それでも太郎たちは鬼退治を無事すませ、
故郷に帰りめでたしめでたしとなったとしたら。

その場面には当然キジはいませんね。
そんなとき、そのキジの後日談は何も語らず、
物語を終了したほうがいいのかどうか。

せっかくみんなが笑顔でハッピーエンドしているんだから、
途中で脱落したヤツのことは語らずに、
いい気分のまま本を閉じてもらったほうがいいのかどうか。
そんなことは読者の想像力にまかせたほうがいいのかどうか。

で、この『少女キネマ』。

語るべきか放っておくべきか、
疑問を投げ掛けてくれた本でした。


少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (単行本)
一 肇
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