2014年9月26日金曜日

『しんがり 山一證券 最後の12人』(清武英利)読みました。

知り合いの編集者がぼやいていたセリフを、
ふと思い出しました。

「なんで俺が、
 〈少しでも読者の方の
  お役に立てれば幸甚です。著者〉
 とかって書かなきゃならないんだよ!」

ぼくもその編集者と同じようなことを
何度か経験しています。

著者とかライターとか原稿を書く役目の人が、
仕事を放り出して逃げちゃい、
捕まらなくなっちゃうんです。

「もう八割がたできているのに、なんで!?」
と叫んじゃう場面です。

スケジュールは押せ押せだから、
どうにもしようがなくて、
編集者が残りの原稿を仕上げる。

泣く泣く書き上げて、やったできたと思ったら、
「あとがき」が残ってる。

なんだよ、くそーと思いながら、
〈お役に立てれば幸甚です。著者〉と打ち込む。
「俺、著者かよ!」
ぼやきたくなるのもわかります。

さて、こんなことは
本当にうんざりしてやり切れないって
気がするんだけども、
その修羅場を乗り越える経験ができるのは、
実は幸せなのかもしれないな、
なんてあとから思ったりします。

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」
というけれど、若くなくても苦労をするのは、
もしかしたら良い事なのかもしれないって。

で、この『しんがり 山一證券 最後の12人』。

いやー、いいっすよ、この本。泣けます。
著者やライターが逃げちゃうくらい
屁でもないわ! って思えます。



しんがり 山一證券 最後の12人
清武 英利
講談社
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