2014年8月19日火曜日

『ゴッドウルフの行方』(ロバート・B・パーカー)読みました。


ざぶーんと来て、スススッって引いていって、
また、ざざーんと来て、
「いやいや、そんなつもりじゃなかったんです、
 ごめんなさいね」って感じで、
スススッシュルシュルって戻っていく。
一応これ砂浜に来る波のこと言ったつもりなんです。
わかってくださいね。

んで、この砂浜に来る波って、
とくに何かを物語っているわけじゃないに、
ずっと見ていても飽きないんですよね。

物語が書かれている本だって、
ずっと見てたら(読んでたら)飽きちゃうのに、
波はそうじゃない。

波が、人を飽きさせないように、
何か面白いたくらみをしてるわけなじゃないっすよね。
それどころか、
「もういい加減、飽きたらどうよ」と言ってるように、
同じ動きを繰り返している。

そんで、それを見ているぼくのほうも、
その中に何か意味を見出そうとしているわけじゃなく、
ましてストーリーの中に
引き込まれようとしているのでもなく、ただ見ている。
それでも、ずっと見てられる。

あっ、川の流れとか、雲の動きなんかもそうかな。
不思議ですね。

で、この『ゴッドウルフの行方』。

ぼーっとしながら、ずっと眺めていても飽きない、
波とか川とか雲とか、そんな本でした。
きちんと聴いてはいないんだけど、
ずっと流していたいBGMみたいな感じかな。


ゴッドウルフの行方 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
ロバート・B. パーカー Robert B. Parker
早川書房
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