2014年5月2日金曜日

『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹)読みました。

臆病者のぼくは、
争いごととかのトラブル、仕事上のミス、
ものの遺失といったやっかいごとに、
なるべく遭遇しないよう、
いつも密かに願っています。

でも、昔、萩本欽ちゃんが言ってたけど
「人生は往って来い」らしく、
良い事もあれば悪い事もあり、
結局は良いも悪いも同じくらいの分量だけ、
立ち向かわなくちゃいけないらしい。
帳尻はとんとんになるようです。

そういうことなら、
ふだん苦しいことを自分からあえてしていれば、
そのぶん楽しく嬉しいことがやってくるんじゃない。

苦しいことがイヤなのは間違いない。
だけど、何の前触れもなく突然襲いかかってくる
いざこざのイヤさは、いうなれば「悪質なイヤさ」で、
自分で「これから苦しいぞ」って自覚したつらさは、
きっと「良質のイヤさ」になる。

どっちもイヤに変わりないけど、
「往って来い」で、いずれ出会わなきゃいけないものなら、
いきなりの「悪質」よりも、自覚した「良質」のほうがいい。

よし!
それじゃ、毎朝5キロのランニング通勤は
苦しくてつらくてイヤだけど、続けちゃおうかな。
苦しいことは先に済ませちゃえ、
……というのがぼくが走り続けている理由のひとつなんです。
実は。

で、この『走ることについて語るときに僕が語ること』。

これも前に一度読んだことのある本の再読。
やっぱ、ノーベル賞級作家は、
走る理由もなんだかポジティブです。
ぼくのような打算的な言い訳は見つかりません。
今までマラソン大会など出たくないと思っていたんですが、
この本を再読したら、
一度くらいは出てもいいかなと思っちゃいました。


走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)
村上 春樹
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