2014年5月14日水曜日

『女のいない男たち』(村上春樹)読みました。

少し前まで、記憶が抜けることがよくありました。
意識が抜けるといってもいいかもしれません。

それは、
片道10キロを爆走チャリ通勤しはじめた頃と、
会社が引越し片道5キロになり、
ランニング通勤をしはじめた頃。

どちらも途中で、やたら身体がきつくなるポイント
(スタート後10分ほどの地点から約5分間)があって、
やり始めの2週間くらいは、
そのポイントが来るのをびくびくしながら待ち構え、
苦しくなると、
「もうちょい! もうちょい我慢すれば、ちっと楽になる」
と自分に言い聞かせながら、足を動かしてました。

それがなんと!
3週目くらいから、ときどきその苦境ポイントが
頭から抜けちゃうようになったんです。

スタート地点から5分くらいまでの記憶は
ちゃんとあるのに、気がつくと、もうゴール間近。
「あれ? 今ぼく、苦境ポイント通ったんだっけ?」
って感じです。

今もランニング通勤は続けていますが、
最近は手の抜き方を覚え、
苦しくなったらスローダウンできるようになったので、
苦境ポイントそのものを感じなくなり
(そのぶん、中レベルのきつさを走行中ずっと維持)
記憶の欠落はなくなっています。

今考えると、あの欠落状態って、
なぜかものすごく気持ちよかったように思えるんです。

で、この『女のいない男たち』。

読み終わって思ったのは、
「あれ? 今ぼく、本読んでたんだっけ?」。
読むのが苦しかったわけじゃありません。
むしろ逆。
きっと楽しか過ぎたから、
以前ような記憶(意識)の欠落状態を感じたんだと思います。

ぼくの身体は、
苦しすぎることも楽しすぎることも、
拒絶しちゃう体質なのかもしれません。


女のいない男たち
女のいない男たち
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