2014年3月26日水曜日

『心を操る文章術』(清水義範)読みました。

「あばたもえくぼ」っていいますよね。
好きな人の一部分であれば、
普通は嫌いになってもおかしくないことでも、
よく見えてきちゃう。

もう一つ、まったく違う意味のようで、
よく考えると似ていることわざが、
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
その人を嫌いになると、
その人の着ている服まで嫌いになっちゃう。

どっちの言葉も極端だけど、
そんな極端まではいかないまでも
「あばた〜」から始まって「坊主〜」的な
気持ちになっていく本は、たまにあります。

導入部分がすごく面白くて引き込まれていき、
でもその中に少しだけ、
自分的にはしっくりこない言い回しが
使われているようなとき。

最初は、しっくりこない部分も
面白さに隠されて読み進められる。
でも、そのしっくりこなさが
何度も繰り返し使われるようになると、
だんだん鼻についてきて、
次第にその本全体が
「なんか合わないなぁ」って思ってきちゃう。

で、この『心を操る文章術』。

面白かったです。ためになりました。
ただ、ぼくの個人的な趣味なんですけど、
昔の文語的な記述の本を除いて、
文章の末尾が「のだ」で終わるのが好きじゃないんです。
それが繰り返し出てくると
「なんか合わないなぁ」って思ってきちゃうのだ。
そんなの気にしなきゃ、とっても良い本なのだ。


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清水 義範
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