「あばたもえくぼ」っていいますよね。
好きな人の一部分であれば、
普通は嫌いになってもおかしくないことでも、
よく見えてきちゃう。
もう一つ、まったく違う意味のようで、
よく考えると似ていることわざが、
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
その人を嫌いになると、
その人の着ている服まで嫌いになっちゃう。
どっちの言葉も極端だけど、
そんな極端まではいかないまでも
「あばた〜」から始まって「坊主〜」的な
気持ちになっていく本は、たまにあります。
導入部分がすごく面白くて引き込まれていき、
でもその中に少しだけ、
自分的にはしっくりこない言い回しが
使われているようなとき。
最初は、しっくりこない部分も
面白さに隠されて読み進められる。
でも、そのしっくりこなさが
何度も繰り返し使われるようになると、
だんだん鼻についてきて、
次第にその本全体が
「なんか合わないなぁ」って思ってきちゃう。
で、この『心を操る文章術』。
面白かったです。ためになりました。
ただ、ぼくの個人的な趣味なんですけど、
昔の文語的な記述の本を除いて、
文章の末尾が「のだ」で終わるのが好きじゃないんです。
それが繰り返し出てくると
「なんか合わないなぁ」って思ってきちゃうのだ。
そんなの気にしなきゃ、とっても良い本なのだ。
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