2014年3月24日月曜日

『天使は結果オーライ』(野尻抱介)読みました。

「予測可能なストーリー展開」って文言は、
つまらない作品の感想として、よく目にします。

ようするに、
結末が読めちゃって面白くないってことですね。

面白い物語っていうのは、
その先どうなるんだろうって考えても、
まったくわからず、
どきどき、はらはらしまくるもの。

自分の考えが追いつかない、
思考未達型の楽しさです。
その逆で「あぁ、最後はこうなるんだろうな」
と読めちゃうと興ざめしちゃうんでしょうね。

それからそれから、
結末を予想するもなにも、
そんなふうに考える隙間さえ
与えてくれないものありますね。

「わっ!わっ!わっ!」とかって言いながら、
取り憑かれたみたいにページをめくっていって、
どっぷりはまっちゃう作品。

次はどうなるんだろう、
なんて考える思考回路は通行止めされて、
その物語だけの優先道路が、
頭の中にどとーんと敷かれるような。

そんな作品もやっぱり、
ストーリー展開は予測できない。
これは、いわば思考占有型。
そういう本に出会えると
スキップして飛び回りたくなっちゃいます。

で、この『天使は結果オーライ』。

なんもかんも忘れさせてくれた、思考占有型でした。
楽しいです!


天使は結果オーライ (ハヤカワ文庫 JA ノ 3-14)
野尻 抱介
早川書房
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