2013年12月3日火曜日

『ちゃんちゃら』(朝井まかて)読みました。

新人作家を発掘する文学賞の
選者のコメントに
「荒削りで作品の完成度は高くないけれど、
 一部にきらりと光るものがある。
 将来を期待してこの作品を選んだ」
みたいな文面をときどき見かけます。

今まで、ぼくは、そんな選評を読んだあとで、
受賞作に目を通したとき、
「荒削り」な部分も、
「きらりと光る」一部分も、
見つけられたことが、なかったんです。

まったくつまらなくて、
荒削りどころか、どこも削ってない作品か、
全部が面白くて、
一部分じゃなく、すべて光っている作品か、
のどちらかだった。

なので著名な選者の先生方のいうような、
「一部がきらりと光って、
 将来を期待させるような作品」
を読んでみたいなと、ずっと思っていたんです。

で、この『ちゃんちゃら』。

同じ著者さんの最新作『恋歌』を読んで、
「こりゃ、他もよまなきゃいかん」
と、急いで手に取った本でした。

んで、ぼくが感じたのは
「一部がきらりと光って、
 将来を期待させる作品」だったってこと。

やっと、
著名な選者の先生方が思っていることと
同じようなモノを感じられました。
この本の後に出たのが『恋歌』なので、
「将来の期待」には存分に応えてくれています。


ちゃんちゃら (講談社文庫)
朝井 まかて
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