2013年10月8日火曜日

『とっぴんぱらりの風太郎』(万城目学)読みました。

お話をつくるときにも、
これからどうしようと思うときにも、
分かれ道ってあるもんです。

ぼくが今、ぱっと思い浮かんだ分かれ道は、
助監督をしていた先輩からの電話のこと。

テレビとか映画とかの助監督の
仕事をしていた若かったころ、
親父に、
「そんな生活じゃ結婚もできないぞ。
 知り合いで、急成長してる会社の社長がいるから、
 そこに勤めたらどうか」
と勧められていたときでした。

自分でも、もう、
その会社に行くことに決めていたとき、
先輩から電話があったんです。

もう一回、助監督やらないかって。

すごくいい作品で、
監督も素晴らしいから、絶対やって損はない。
この作品についてから、
ほかの道に行ってもいいんじゃないかって。

そこでぼくは断っちゃったんです。

たぶん、先輩が言うように、
その仕事は、作品も監督もスタッフも、
みんな素晴らしいんだろうなと思いながら。

でも、もしそこに行ったら、
もうほかの道には戻らなくなるなと感じたんです。

ぼくの判断が正解だったのか、どうだったのか、
まだよくわかりません。
もしかしたら、そんな分かれ道では、
どっちを選んでも、正解なのかもしれません。

で、この『とっぴんぱらりの風太郎』。

お話をつくるときの分かれ道で、
これとは違う道を選んだバージョンがあれば、
それを読みたいな。
この選択も間違いではなく、
正解だとは思うんですけどね。


とっぴんぱらりの風太郎
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万城目 学
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