「暗いと不平を言うよりも、
すすんで灯りをつけましょう」
子どもの頃、
このフレーズがテレビから流れてくると、
なんだか怖くなって、
一人びくびくしていた記憶があります。
これって、なんかのコマーシャルか、
それとも番組のオープニングだったんでしょうか。
そこに流れるバックの映像は
まったく頭に浮かんでこないのに、
この言葉と、それを静かなトーンで語る女性の声は、
ふとした瞬間に幻聴みたいにわいてきて、
今でもやっぱりびくびくしちゃいます。
あの声の調子が怖かったんですね。
これ、もしかしたら、今でも放送で流されているのかな。
で、この『出版・新聞絶望未来』。
灯りの場所をすすんで隠し、
暗いという不平だけを列挙したような本でした。
子どものとき聞いたフレーズが、
この本みたいに
「暗いと不平を言いながら、
進んで灯りを隠しましょう」じゃなくてよかった。
もしそうだったら、
びくびくどころのトラウマじゃすまなかったと思います。