2013年4月12日金曜日

『フイヤン派の野望 小説フランス革命8』(佐藤賢一) 読みました。


地球をほじくり返して吸い出す原油は、
そのあと、いろんな工程を通って、
重油とか軽油とか、ガソリンや灯油なんかに
なるんですよね。

その工程ってよく知らないけど、
漉したり、比重で分けたり、抽出したりって
作業なんだと思います、たぶん。

これを歴史物の本にたとえると(無理矢理ですが…)
原油は、一切合切をまるごと書き込んだ
「教科書」になるのかな。だだーっと事実を並べ立て、
はい覚えてねって感じ。

んで、その事実から、
もっと細かいことを漉しとったり、
面白いとこだけ抽出したりって作業をしたのが、
「小説」ですかね。
小説は原油を精製したガソリンみたいなもんです。

でも、ぼくの読んだ歴史物の本には、
小説って呼ばれていても、
原油(つまり教科書)みたいな作品が、
たくさんありました。

原油をクルマに入れても走らないのと同じで、
ぼくも原油もどきの小説では何も楽しめませんでした。
精製されていないと消化できないんですよね。
意外とナイーブなんです。

で、この『フイヤン派の野望 小説フランス革命8』。

原油じゃありませんでした。
ちゃんと精製してあるガソリン。
いや、もっと値段が高いハイオクかな。

フイヤン派の野望 小説フランス革命  8 (小説フランス革命) (集英社文庫)
佐藤 賢一
集英社 (2012-04-20)
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