地球をほじくり返して吸い出す原油は、
そのあと、いろんな工程を通って、
重油とか軽油とか、ガソリンや灯油なんかに
なるんですよね。
その工程ってよく知らないけど、
漉したり、比重で分けたり、抽出したりって
作業なんだと思います、たぶん。
これを歴史物の本にたとえると(無理矢理ですが…)
原油は、一切合切をまるごと書き込んだ
「教科書」になるのかな。だだーっと事実を並べ立て、
はい覚えてねって感じ。
んで、その事実から、
もっと細かいことを漉しとったり、
面白いとこだけ抽出したりって作業をしたのが、
「小説」ですかね。
小説は原油を精製したガソリンみたいなもんです。
でも、ぼくの読んだ歴史物の本には、
小説って呼ばれていても、
原油(つまり教科書)みたいな作品が、
たくさんありました。
原油をクルマに入れても走らないのと同じで、
ぼくも原油もどきの小説では何も楽しめませんでした。
精製されていないと消化できないんですよね。
意外とナイーブなんです。
で、この『フイヤン派の野望 小説フランス革命8』。
原油じゃありませんでした。
ちゃんと精製してあるガソリン。
いや、もっと値段が高いハイオクかな。
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佐藤 賢一
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