2013年2月1日金曜日

『古城ホテル』(ジェニファー・イーガン)読みました。


昔からよく見る夢があります。

小学生のぼくが、友だち数人と一緒に、
塀の上にのぼって、そこからジャンプできるかどうか
度胸試しをしている風景。

みんなは、やっほーとか言いながら、
軽々と塀から飛んで、地面にカッコ良く着地しています。
でも、ぼくは、
飛ぶのが怖くて、なかなか踏み出せない。

みんなから
「何してんだよ!」とか「早くしろよー!」とか
やじられるけど、それでも、もじもじ。

いつまでたっても塀の上ですくんでいるぼくを見て、
みんなはあきれ、
「もう帰るぞ」って言い始める。

そう言われてはじめて、
おいてけぼりになるのがイヤなぼくは、
目をつぶり「わっ」と声を上げて、塀を蹴る。

すると!
即座に地面に着地するはずが、
そのままウルトラマンみたいに
空に飛んでいっちゃうんです。
ぼくがです。鳥じゃないぼくが。

空を飛べるんだから、気持ちいいかと思いきや、
それがやっぱり怖い。
だって、塀なんて問題じゃないくらい高いんですから。
めっちゃ高所なんですから。

「えっ、なんだよこれ、なんとかしてくれよ」
と上空でもがいているとき、たいてい目が覚めます。

で、この『古城ホテル』。

ぼくがよく見る夢みたいな本でした。
すごく、いいです。

古城ホテル (RHブックス・プラス)
ジェニファー イーガン
武田ランダムハウスジャパン
売り上げランキング: 294,002